中嶋淑乃/とれそうでとれない、レジーナの軟体ドリブラー。
スル、スル、スルスル。
特別なフェイントも、特別なスピードも感じない。
でも、不思議とDFにつかまらない。
「なんか、ヌルヌルしているよね」
そんな言葉を投げかけると、中嶋淑乃はニコリと笑った。
「よく言われます。でも、自分ではよくわからないんですけどね」
あー、やっぱり言われているんだ。
「その瞬間に思いついたことをやっているだけなんで」
おそらく、DFはボールがとれると思っているはず。
でも、とれない。でも、突破される。
そのドリブルは、切れている時の森島司のよう。彼もまた、ボールがとれそうでとれないと、DFを嘆かせる。
「実は私、サンフレッチェでは森島選手が1番好きで、よくプレーを観て勉強しています。ドリブルも上手いし、守備も攻撃もよく走っているので」
彼女の真骨頂は、ワイドで幅をとってドリブルを仕掛け、そこからカットインからのクロス。あるいはスルーパス。千葉戦で谷口木乃実に出して得点につながったパスは、谷口のスピードを活かしたパーフェクトなものだった。
「たとえばFWが上野真実選手だったら、フィジカルが強くて、前でキープできるので、どんなパスでもなんとかしてくれる。谷口選手はスピードが武器なので、裏へのスルーパスは狙いますね。フィジカルも強いので、相手に競り勝てるようなパスを出したいです」
昨年はなでしこリーグ2部(オルカ鴨川FC)で18試合11得点を記録。ただ、彼女の本質はストライカーというよりもチャンスメイカーだ。
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