SIGMACLUBweb

中嶋淑乃/とれそうでとれない、レジーナの軟体ドリブラー。

スル、スル、スルスル。

特別なフェイントも、特別なスピードも感じない。

でも、不思議とDFにつかまらない。

「なんか、ヌルヌルしているよね」

そんな言葉を投げかけると、中嶋淑乃はニコリと笑った。

「よく言われます。でも、自分ではよくわからないんですけどね」

あー、やっぱり言われているんだ。

その瞬間に思いついたことをやっているだけなんで」

おそらく、DFはボールがとれると思っているはず。

でも、とれない。でも、突破される。

そのドリブルは、切れている時の森島司のよう。彼もまた、ボールがとれそうでとれないと、DFを嘆かせる。

「実は私、サンフレッチェでは森島選手が1番好きで、よくプレーを観て勉強しています。ドリブルも上手いし、守備も攻撃もよく走っているので」

彼女の真骨頂は、ワイドで幅をとってドリブルを仕掛け、そこからカットインからのクロス。あるいはスルーパス。千葉戦で谷口木乃実に出して得点につながったパスは、谷口のスピードを活かしたパーフェクトなものだった。

「たとえばFWが上野真実選手だったら、フィジカルが強くて、前でキープできるので、どんなパスでもなんとかしてくれる。谷口選手はスピードが武器なので、裏へのスルーパスは狙いますね。フィジカルも強いので、相手に競り勝てるようなパスを出したいです」

昨年はなでしこリーグ2部(オルカ鴨川FC)で18試合11得点を記録。ただ、彼女の本質はストライカーというよりもチャンスメイカーだ。

(残り 920文字/全文: 1529文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ