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サイドハーフの稲妻/エゼキエウ

新しいフォーメイションである4-2-3-1に最も恩恵を受ける選手は誰かと考えた時、それは間違いなくエゼキエウだろうと考えた。

彼自身、ブラジルではこのフォーメイションの左サイドハーフでプレーしていた実績があり、タッチラインに開いてボールを受け、ドリブルで仕掛けるその姿を、ブラジルのサッカーファンは「稲妻」と呼んで愛した。

広島ではずっとシャドーでプレーしていて、昨年は時間と共に成果もあげていた。第29節の対湘南戦で先発。機能しないチームの中で孤軍奮闘していたが、42分に負傷退場。15試合出場2得点1アシストという成績は、本人もチームも満足いかなかったに違いない。

とはいえ、彼がシャドーでのプレーにフィットするために苦労していたことも事実である。広島のシャドーは、ポジションどりも役割も多岐にわたり、細かい仕事も多い。エゼキエウのような生粋のドリブラーにとっては、どうしても慣れるのに時間がかかるし、タッチライン際よりも中央でプレーすることが多かったことも、難しさに拍車をかけた。

実は昨年、城福浩監督はトレーニングマッチにおいて、彼を左ワイドで起用したことがある。守備はともかくとして、攻撃の時は実に活き活きとした突破を見せていた。ボールの受け方もいいし、そこからの持ち出しもスムーズ。迫力にも満ちたプレーで決定機を量産していたことは覚えている。

エゼキエウも「このシステムは自分にあっている」と断言。だが、トレーニングマッチではなかなか点に絡むことができなかった。コンディションの問題である。ブラジル人選手たち共通して言えることだが、やはり新型コロナ禍における2週間の隔離生活は厳しい。特にエゼキエウのようにキレで勝負するタイプは、トレーニングでしっかりと追い込まないと本当の意味での自分のプレーはできない。指宿キャンプでは思うようなプレーができず、首をかしげるシーンも多かった。

だが、開幕直前のトレーニングマッチでは彼らしい活躍を見せてチャンスを構築していたという。トレーニングでも表情に生気が戻り、エゼキエウらしい笑顔もトレーニングの中で見られるようになった。

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