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奇跡的残留を引き寄せた3週間

フェリペ・シウバの強烈なシュートを柴崎晃誠がコースを変えて生まれた先制点。この遠因は、アンデルソン・ロペスを1トップに据えたことによる2列目の活性化にある。

 

 

奇跡的な残留といっていい。

第4節、札幌に1-2で完敗し17位転落を喫してしまって以降、第25節まで22節連続の降格圏。第29節から鹿島・川崎F・浦和と3連敗、しかも3試合連続無得点。6試合連続負けなしという時期もあったが、3勝3分だったという内容もあり、勢いに乗ることができなかった。第31節終了時点で降格圏。そこから2試合で残留できたのだ。計算上可能なのは知っていたが、現実になるとは。

補強した選手たちがことごとく不振。夏の移籍期間でパトリックや丹羽大輝、椋原健太、ネイサン・バーンズと獲得したが、大爆発とまではいかなかった。

たとえば大宮は、第13節の柏戦から伊藤彰監督が就任し、新潟・広島と連勝。第19節、ヤン・ヨンソン監督就任初戦時には広島と4ポイント差をつけていた。まだ降格圏の16位だったが、15位の甲府とは1ポイント差。伊藤監督就任以降の7試合で8ポイントは、それまでの12試合で積み上げた7ポイントを上回り、FW江坂任が鳥栖戦〜札幌戦までの5試合で4得点とブレイクの兆しを見せ、着実に降格圏を抜け出していくかのような勢いがあった。その勢いほ加速させるかのように、マルセロ・トスカーノやカウエといった即戦力外国人選手を獲得。盤石の構えを見せていた。

たとえば甲府。失点数ではリーグ6位と安定感を見せるも得点を重ねることができなかったのだが、夏に獲得したFWリンスが機能。第24節、対川崎F戦。リンスとドゥドゥの2得点で一時は2-1と逆転した。アディショナルタイムで同点に追いつかれたが、広島との直接対決で敗れたショックを払拭。清水には敗れたものの、第26節からの4試合でリンスとドゥドゥがそれぞれ3得点ずつをゲットする爆発ぶり。彼らの守備の強さを考えれば、このまま抜け出すのかという予感を感じさせた。

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