ヴォルティススタジアム

徳島ヴォルティスユース、プレーオフ初戦で惜しくも涙を呑む

プリンスリーグ四国で優勝を果たし、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ2023 プレーオフに駒を進めた徳島ヴォルティスユース。12月8日(金)にエディオンスタジアム広島で浦和レッズユースと対戦した。

浦和に勝利し、連勝すれば目標であるプレミアリーグへの昇格が決まる。チームは前日に徳島スポーツビレッジで調整し、広島へと乗り込んだ。

浦和戦のスタメンは、GK 黒田 開生 DF 柴田 航次郎、大和 陽希、宮村 璃玖、増井 哲平、MF 高山 椋二朗、尾上 瑠聖、林 壮、福田 武玖、FW 前川 修音、廣永 獅旺 (Cap)の11人。

前半、ヴォルティスが少し固い入りになったが、6分にコーナーキックのこぼれ球を前川が押し込み、幸先良く先制に成功する。

その後、27分に同点に追いつかれるが、ヴォルティスは全く臆することなく戦い、前半を終了する。
51分、廣永が抜け出し、相手ディフェンダーを振り切り、最後はGKも交わして、ゴールへ流し込み、勝ち越しに成功する。

その後も1点差のまま試合を優位に進め、後半の終盤へと突入。

オープンな展開となった終盤、アディショナルタイムに追いつかれてしまうが、すぐさま前川の得点で突き放す。
しかし、直後のラストプレーで再び同点とされ、前後半10分ハーフの延長戦へ。

延長前半1分に得点を許したが、延長前半8分に大和のクロスを途中出場の長村が頭で合わせた意地の一発で同点に。点を取り合うシーソーゲームとなったこの試合、延長後半に再び失点し、リードを許す。しかしピッチ内、ベンチ、スタンドで戦う全員が諦めず攻め込んだ延長後半のラストプレー。果敢に仕掛けた柴田航次郎がPKを獲得。3年生からボールを託された2年の尾上が冷静に決め切り、延長戦終了。
勝負はPK戦へともつれこんだ。

PKではヴォルティスが2回連続で失敗してしまい、最終スコア 5-5(PK 2-4)で試合終了。プレーオフ初戦で惜しくも涙を呑む結果となった。

□試合後の監督・選手コメント


玉城監督
「本当に選手が力を出し切ってくれて、このような試合をしてくれました。悔しいですが、110分間とPK戦も含めて、選手も僕もすごく楽しかったです。
(攻撃の回数も多かったように見えました)少し全体的に固かったかもしれないです。ボールロストをしている、もっとつなぎたいなどと、選手たちが試合中もハーフタイムのロッカーでも話をしていました。そういう意味では、選手たちの中で基準や理想が(この1年間で)上がっていたと感じました。
そして、この1年で選手たちは逞しくなりました。プレシーズンではほぼ勝てなくて、クラブユースの全国大会でも無得点の3連敗でした。本当にそこから選手たちがいろんなことを感じて、自分たちで這い上がって、自分たちでまとまって戦い抜いてくれたので、今日はそれが出たのかなと思いました。僕もびっくりしました。
ただ、「ここまで来れた」とか「良いゲームができた」ではなくて、自分たちがプレミアに昇格してもっとより良い環境を得ていくために、次のステップに進まないといけないと思っています。
試合後のミーティングでは、本当に楽しかったという話と、ここまで連れてきてくれたことに感謝していることを伝えました。ただ、悔しさもそこには混在しているので、この悔しさを埋めて、もっと楽しさを増やせるように跳ね返していこうと話しました」


廣永 獅旺選手
「悔しいですね。それ以外何もないです。
(点を取ったことについて)1年間努力してきたのでプレミアリーグに昇格したかったですが、ここで点を取れたことはこれまでやってきたことが実った瞬間でもあったので、そこは嬉しかったです。
1年前に比べたら、今日のような試合内容になることは考えられなかったです。1年間でチームとして成長することができたと思います。特に1・2年生がチームのためにハードワークだったり、声を出したりしてくれたので、3年生は助かりました。だからこそ、プレミアリーグに上げたかったです。
このクラブで小学校の時から戦えたのは、すごく宝物になりました。大学へ行って成長して、またここに戻ってきたいなって思います。夢は徳島ヴォルティスで活躍することです。」

黒田 開生選手
「前半は固い入りをして、終わってしまいました。全体を通して、僕が止められたら勝っていたと思う試合でした。今シーズン、チームに助けてもらったことが多かったので、プレーオフで、自分が活躍するのは良くないですが、防げるものは防いでチームに恩返ししたい気持ちで準備をしてきました。
僕は中学生からヴォルティスに所属していて、6年間で一人の人間としても、サッカー選手としても育ててもらいました。その分、恩返ししたい気持ちが強かったです。ただ、今日は何もできなかったかなと思います。
まずはチームメイトに、「ありがとう」と伝えたいです。今シーズンは前線で点を決めてもらったり、体を張って守ってもらったりしてもらいました。たくさん支えてもらっていたので、スタッフやチームメイトに感謝の気持ちを伝えたいです。
あとは来年こそはプレミアへ行ってほしいと後輩に伝えたいなと思います。高卒でプロを目指していましたが、成し遂げらませんでした。大学に行って、また4年後に徳島ヴォルティスに帰ってこれたらいいなと思います。」

前川 修音選手
「自分たちがこれまでやってきたことをとにかく出そうとロッカールームでも話をしていました。その中で自分たちのやれることは精一杯やった中での結果なので、自分たちの力が足りなかったと思います。
僕はユースに入ってからアタッカーに転向しました。3年間で磨いてきたものやゴール前でのフィニッシュは自分の中で大事にしてきたので、今日の試合でも決め切れたのは良かったと思います。
自分たちの年代はずっと苦しくて、あまり勝てなかったり、逆境と立ち向かうことが多かったですが、この3年間ですごく強くなって、メンタル的にも成長できたことを感じられました。
埼玉県から徳島県に来て、最初は少し慣れないところもあったんですが、仲間やスタッフの存在が本当に大きかったです。人に支えられた3年間だったなと思います。」

□試合の様子(写真)

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