ヴォルティススタジアム

【2016年のヴォルティスを振り返る(2)】シーズン後半戦。成長は見せた。しかし…。

組織の作り直しは容易くできるものでない。しかもそれを行う時間が実戦の合間しかないとなれば、当然難易度はいっそう高いものに。実際チームはシーズン前半戦何度も繰り返しそれに失敗し、嫌と言うほどその難しさを思い知らされた。

しかし、そうした大きな苦しみを味わったからこそ選手たちは謙虚な姿勢で原点に立ち戻り、自らをしっかり見つめ直すことができたのだろう。折り返したリーグ後半戦、自分たちに足りていないものへの理解を全員で共有しベクトルを揃え始めたヴォルティスは、徐々に前進の歩みを踏み出せる状態に。少しずつの緩やかな傾斜ではあるが、右肩上がりの成長線を描けるようになっていった。

ホームで今季初の連勝を達成した選手達。試合後、サポーターへ挨拶。

ホームで今季初の連勝を達成した選手達。試合後、サポーターへ挨拶。(京都戦)

そしてそれが特に表れたのが守備面だ。第22節からのチームは、開幕直後からずっと大きな問題であったそこに一歩一歩の前進を披露。福元洋平や橋内優也を中心に最終ラインが欠いていた安定感を試行錯誤しながらも高めれば、渡大生や大崎淳矢らが先陣を切ってかける前からのプレスも徐々に強度をアップさせ、その成果として失点の数を確実に減少させていった。事実、松本(第26節)や山形(第32節)には二度ネットを揺らされたが、それを除けば相手にゴールを許してもそれは90分でひとつだけ(※リーグ最終節までで見ると、第36節・山口戦、第42節・清水戦でも2失点)。選手たちは持ち得る集中と体力の全てを注ぎ、試合ごとに守りの成長を積み上げていったと言える。

またそうした守備のいい変化は、リーグ終盤に入ると攻撃面の改善にも結び付いていく。

(残り 786文字/全文: 1530文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ