【練習レポート】ベストメンバーで臨む天皇杯1回戦。(1527文字)
前節・磐田戦(1●3)では敗戦を喫した。しかしながら、先制点を決めきれていれば結果は真逆のものだったかもしれない。それだけチャンスもあり、良い戦いができていた部分も多かった。
心配されていたケガ人の影響に関しても、代わって出場した衛藤裕が今季初出場とは思えない高いパフォーマンスを発揮し、チームの好機にも何度も絡んだ。衛藤自身も結果が出なかったことは反省しながらも「今季初出場だったので試合勘や体力面では多少心配もありましたが、思ったよりリラックスできた状態で試合に臨めたと思います。チャンスにも絡むことができたので、そこに関しては久しぶりの試合の割にという点では納得できてる部分はあります」と手応えを感じているようだ。
そして、同じく今季初出場を果たしたキムキョンジュン。キムキョンジュンにとってはJリーグ初、そして移籍後初出場となったが「出場できたことは嬉しいですが、良いプレーができなかったことは残念です」「(映像を振り返って)いろんな場面で自分の足らない部分が見えました。前節のようなプレーを繰り返さないようにしたいです」と悔しそうな表情を見せた。
両者の手応えは大きく異なりはしたが、切磋琢磨しながら新たな選手がメンバー入りしたことはチームにとって好材料だと言える。ケガ人に関しても徐々に練習に合流し始めており、近いうちに多くの選手が完全合流となりそうだ。
天皇杯1回戦に関しては若手や新たな選手を起用するチームも多いが、徳島に関しては練習を見ていても小林監督の言葉からも「コンディションの良い選手でいきます」と現状のベストメンバーで臨みそうだ。ファジアーノ岡山ネクストとは2012年の天皇杯2回戦でも対戦しており、その時は5○1で徳島が大勝を収めている。例年、カテゴリーが異なる相手とのトーナメント戦では必ず苦戦するチームが出てくるが、徳島としては9月のリーグ戦再開につながるような内容で勝利を収めたいところだ。
さて、コンディションと言えば、大学時代に『鉄人』と呼ばれていた選手がいることを思い出した。藤原広太朗だ。2013年は全42試合に出場、2014年はオフシーズンに受けた左肩関節脱臼の修復手術の影響で離れていた期間以外のほとんどの試合に出場。今季も現段階でチーム最多タイとなる28試合に出場している。そして、過去にさかのぼって話を聞いても「小さい頃からリハビリをするような怪我はしたことがありません。ユースでも大学でも筋肉系のケガはしたことがないですし、足首や膝といったケガもありません。大学時代は1年生の開幕戦はベンチでしたが、2節からはずっと出場していました。大学時代に鼻が折れたこともあったのですが試合には出場していましたし、1年の開幕戦と4年の最後の試合で累積警告で出場停止になった試合以外は全て出場しました」と話す。もちろん、昔も今も出場することだけではなく、試合の中で見つけた課題を次にどう生かしていくかという部分に藤原は日々取り組み続けている。その中で、食事やオフの過ごし方も含めて自身を律しながら、フィジカルもメンタルも状態を維持し続けることができるということも素晴らしい才能だとあらためて感じた。
reported by 柏原敏