ヴォルティススタジアム

【練習場から】プロである以上、最後まで戦うキャプテン。

斉藤大介

福岡戦より。

2013シーズンから3シーズン連続でチームのキャプテンを任されている斉藤大介。今シーズンのリーグ戦試合出場数は20試合で途中出場も多くなっているが、全試合に登録メンバー入りしてチームを支えてきた。前節の札幌戦に敗れたことで、僅かながらに可能性を残していたプレーオフ進出の可能性が絶たれることとなった。

大きな決意を持って臨んだシーズンで目標を達成できないという結果はでてしまったが、それでもキャプテンとして、ここからの試合に向けて話をしてくれた。

「(札幌戦で)6位以内も消滅してしまい、1年でJ1に復帰するという目標が達成できなかったのは、自分たちの実力が足りなかったということになると思います。プレーオフ圏内の6位以内も逃してしまい、その昇格の懸かる舞台にも進むことが出来なかったのは本当に悔いが残ります」とは試合を終えて最初に出てきた言葉だ。

そして、今シーズンの反省として「目標を掲げていたのを達成できなくて、何をすべきだったのかというのは考えないといけない。引き分けを勝ち切れるようなチームにならないといけないし、守備から入ったとしても攻撃で複数点取って勝てるように、2点、3点とダメ押しで取れるような実力をつけないといけない。今シーズンは上位との対戦で勝てなかったですし、そういう試合で勝って勢いに乗ることも昇格するためには大事なことでした。もっとチームとして勝つために、何をするか、J2リーグで結果を残すのは難しいことです」という言葉が続いた。

ただ、今シーズンは前節の札幌戦で終わったわけでは無い。明後日には現在J1で首位に立つ広島との天皇杯4回戦を控えており、リーグも2試合を残している。プロとして日頃から準備を怠らない斉藤らいエピソードも紹介したい。

第39節のホーム栃木戦で、斉藤はウォーミングアップ中も常に試合の動向を気にしながら、入念にアップをしていた。後半からは半袖のユニフォームに着替えて、その上にビブスを着用する形で、いつ出番が来てもいいように準備をしていた。それは、3人目の選手交代で衛藤が呼ばれてもアップを止めずに、衛藤が藤原に代わってピッチに入るまでアップを続けていた。

ウォーミングアップの方法は選手次第で、体を温めておくためにウェアを着込む選手もいれば、アップ場所が人工芝になるので、スパイクでは無く敢えてランニングシューズを選択する選手もいる。そこは選手それぞれになるので、何が一番良いというものではないが、斉藤はスパイクを履いて、ビブスの下にはユニフォームというスタイルでアップをおこなっていた。そして、3人目の交代選手がピッチに入るまでアップを続けていた。

斉藤大介

スパイクを履いて、ビブスの下にはユニフォームというスタイルでアップをおこなう斉藤選手。

選手交代は最後の最後まで何があるかわからない。交代用紙が提出された後でも、交代する選手が間際で変更になることも多々ある。出場の可能性がある限り、アップを続けた斉藤に、栃木戦の重要さを感じた場面だった。その後は他の出場機会が無かったメンバーと、握手をしてベンチに戻って戦況を見つめることとなったが、そういうキャプテンの思いが同点ゴールを手繰り寄せることにつながったかも知れない。
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今後の試合について斉藤は「次は天皇杯でJ1首位の広島と対戦になるので、どれだけ出来るかがこの試合での重要な部分になります。勝ち進むことによって、自分たちの置かれている状況がわかるものですし、何が足りないかが具体的に見えてくるものです。広島が相手とはいえ結果を出すためにやっていかないといけないと思います」と話し、連戦で迎えるホーム最終戦についても話した。

「(週末のリーグについて)次はホーム最終戦で、1年間の締めくくりの試合になります。このところホームで勝つことが出来ていないので、プロとしてやるべきことをやらないといけないし、それが来季に向けてつながることだと思います。その辺をおろそかにせずにチームとして最後までしっかりやっていきたいと思います」プロサッカー選手として17シーズン活躍する斉藤らしい責任感を感じる言葉で締めくくった。

今日の練習は少しサーキットトレーニングを入れた後に、ボールポゼッションをおこない、そこで札幌戦に出場したメンバーはダウンとなり、その他のメンバーはシュートゲームとなった。少ないメンバーでのトレーニングとなった後も、ボールに激しく行く場面や、正確なダイレクトプレーなど、声を出すだけでなくプレーで次戦の出場への意欲を示すキャプテン・斉藤大介と共に、チーム全体で残り試合を全力で戦いたいところだ。
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