山梨フットボール

「しんどい内容の前半もベテランと若手が決定機を創り、決めて今季初勝利。GK河田晃兵は好セーブで大貢献」【2023明治安田生命J2リーグ第4節 甲府2-1藤枝 レビュー】

明治安田生命J2リーグ第4節

2023年3月11日 甲府2-1藤枝(13:03K.O/JIT リサイクルインク スタジアム/入場者数 6,941人/天候 晴 弱風/気温 23.0℃/湿度 20%/全面良芝)

得点者 37’武富孝介(甲府) 63’久保藤次郎(藤枝) 71’長谷川元希(甲府) 

ャンスで期待ほど打ててない村上宗隆を4番から外すのとピーター・ウタカをスタメンから途中出場に変える判断が正しいのか…今後も信じて使い続けるのが正しいのか分からないが、段々と重要で現実的な検討課題(当社比)になってきたように感じたWBCオーストラリア戦(7-1◯)とJ2リーグ藤枝戦(2-1◯)。開幕戦から一節ごとに勝利に近づく修正や進化があり、藤枝戦はかなりしんどい内容だったが遂に勝ち点3を奪い取り、篠田善之監督のVF甲府での初勝利をホーム・JIT リサイクルインク スタジアムで挙げることができたことは素晴らしい。天皇杯の星付きユニフォームの初勝利でもあるので嬉しいけれど、更に進化や熟成がないとこの先しんどいと感じたことも事実。

合後、藤枝のキャプテン杉田真彦が囲み取材で「ほぼコッチですね。ワンチャンスを決められて勿体なかった。手応えがあるのに勝てないのは前節と同じ。J3ならやられてないところがJ2ではやられる」と、ぽつぽつと話し始めた。その気持はよく分かるし、そういう内容だったと思う。勝ったから腹も立たない。去年の甲府は藤枝サイドの人たちが感じたような試合が結構あって、”内容で勝って試合に負けた”という趣旨のことをーー負け惜しみの気持ちが滲み出たと思うがーー何度か書いた。だからこそ、杉田のコメントを聞いて”そう思うだろうなぁ”と素直に聞くことができた。でも、それがサッカーだし、お互いに山あり谷あり。

河田晃兵の好セーブなくして勝利はなかった藤枝戦。

ベテランの巧さとアイディアと経験を発揮して先制点をアシストした三平和司。本来はトップ下よりもワントップで活きる選手なので、三平のワントップも見てみたい。

藤大輔監督も会見で「本日、日本一の甲府に対して我々の超攻撃的サッカー、エンターティンメントサッカーで相手のゴールをこじ開けたいという趣旨の中でスタートしました。前半何度かいい形を作って相手ゴールに迫ったがJ2のクオリティは高いし、甲府もやらせている気持ちで球際、最後の際(きわ)のところで防がれた。敗因はそこに尽きるのかなぁと。前半先制ができなかったことが敗因。失点はしたけれど追い付くところまではいったが、ならば追い越さないといけない。そこの差が出たのは決めきる力、防ぎきる力を徹底して、際のところを徹底したい。大枠のところ、ボールの動かし方、アタッキングサードへの侵入のところはできました。今日のシュート数で足りないのならシュート数やペナルティエリアに入っていく回数をもっと増やしたい」と堂々と一気に話してから質疑応答になった。

VF甲府のJ1初昇格に選手として貢献した須藤さんは2021年度のデータならJ3リーグで11番目の予算規模の藤枝を2022年度はリーグ2位に押し上げてJ2昇格を果たした監督。優秀の形は色々あるけれど、予算規模でも環境面でも不利な条件のクラブをJ2に昇格させたリーダーなんだから素晴らしい指導者。やりたいサッカーをしっかり作り上げていた。第4節時点のオーガナイズでは藤枝が上回っていた。昨季から継続の藤枝に対して変化を選んだ甲府はやりたいサッカーを構築中で、その差が前半顕著に出た。

(残り 2875文字/全文: 4459文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ