「夢も希望も運も失望も絶望も何でもある。これが負けたら終わりの天皇杯。最後まで勝ち続けたのは山梨県の矜持・ヴァンフォーレ甲府」【 2022天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会・決勝 甲府1-1(PK5-4)広島 レビュー】
2022年10月16日 甲府1-1(PK5-4)広島(14:03K.O/日産スタジアム/入場者数 37,998人/天候 曇のち晴 弱風/気温 25.4℃/湿度 60%/全面良芝)
得点者: ’26 三平和司(甲府) ’84 川村拓夢(広島)
PK戦:甲府5-4広島
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今思うと”そうだったのかぁ”と納得できることが多い天皇杯優勝後の出来事や吉田達磨監督、選手の振る舞い。本当はこんな書き出しではなく、決勝戦に勝った喜びをいっぱい表現したかったけれど2日後の朝に”吉田達磨監督退任”という記事が複数出て、すぐに祭りの後のような覚めた気分になってしまった…。お家大事、リーグ戦大事とはいえ、天皇杯優勝監督と契約を延長しないのか…と。吉田監督の来季の契約云々は天皇杯決勝後に決めるのが当然という思い込みもあったし、退任が決勝戦の2日前に通達されていたということにも腹が立った。だから優勝会見で吉田監督は来季の甲府のACLチャレンジの指揮をとれない失望があって心から嬉しそうな顔をしてなかったのか…と、後々思った。人事は非情な面もないとできない仕事だけど、天皇杯の決勝前にーー吉田監督も早めの判断を望んだそうだがーーそんな決断がなされていたのかと…。
リーグ戦の連敗が85分の失点で敗れた横浜FC戦(第37節、0-1●)の5で止まっていれば判断が変わったのかなぁと思う。6連敗目の大分戦(第38節、1-2●)は同点に追いついたのに95分に逆転ゴールを決められ、7連敗目の栃木戦(第39節、0-1●)はシュート数が12対2と圧倒しながらも79分に失点して敗れていて、堪え性がない人ならこの試合で頭の血管が切れまくって気持ちも切れて周囲にキレまくっていたのかもしれない。結局、J1に昇格できなかった責任を吉田監督が一人で背負ってチームを去ることになるが、決定機に決め切れなかった選手、自陣のゴール前でミスを繰り返したDF陣、相手クロスの出所へのプレッシャーでもう1歩を出せなかった選手にもそれぞれの大小の責任があるがーー寄せ集めれば大きな責任の山になるがーー吉田監督が独りで責任を負うーー心を痛めているであろうコーチングスタッフの去就は現時点ではわからないーー。
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