無料記事「燃えて挑む天皇杯準々決勝の相手はJ1福岡に決定。背景と展望をチラリ」【練習場から】
イニエスタがいる神戸との”天皇杯準々決勝”も期待していたし、”ザ・J1クラブと対戦したい”という関係者もいたし、吉田達磨監督はベスト16が出揃ったところで「(準々決勝に進出したら)”柏と当たるのかなぁ”と思っていました」と話すなど色々な思いがあった。そして、7月15日の抽選会で甲府はーー遠方アウエーに行くスケジュールで前後のリーグ戦が大変ーーJ1福岡(現在10位)との対戦が決定。磐田対東京V(7月20日@味スタ)の勝者との対戦だったら、どちらが勝っても、”元甲府の監督”で、「それはやりたくないですね(笑)」と吉田監督は雑談の中で話していた。もし東京V対甲府となれば、ベスト4にJ2が確実に1クラブ残るけれど、8月21日(J2第32節、東京V対甲府)に続いてJ2の同じ試合を天皇杯準々決勝でやりたくないという思いもあったが、9月7日はどちらも無くなった。
山梨県サッカー協会はラウンド16までホーム・JITリサイクルインク スタジアムを確保して、VF甲府がホームで試合ができるようにしっかりとサポートしてくれた。チームも天皇杯3勝でそれに応えた。関係者によると、”ベスト8以上はVARが必要”ということでーーJ2甲府のホームスタジアムにはVARのカメラや専用の部屋がないーー最初からアウエーの試合になることは決まっていたが、”甲府ホームで未踏の新国立競技場開催”という奇策もあるのでは…と期待はしていた。
天皇杯準々決勝アウエー福岡戦まではリーグ戦が8試合(H水戸、A千葉、A群馬、H琉球、H熊本、A東京V、H金沢、A徳島)。今節の水戸戦を含めてリーグ戦は残り16試合だが、この8試合で区切るならラスト10(H金沢からラスト10)を切っているので、6位以内に入って天皇杯を迎えたい。チームは皮算用はしないので、先のことを言ってプレッシャーを掛け過ぎないようにしたいが、残り16試合を6と10に分けても8と8に分けてもいいが、天皇杯福岡戦はリーグ戦の間のスケージュール的に厳しい試合なので、その時点でのリーグ戦のベンチ、メンバー外の選手が主力になるはず。一方、JリーグのHPを見ると、福岡は甲府戦の次がアウエー横浜FMで、この試合が中2日(土曜日)か中3日(日曜日)かフィックスされていない。この横浜FM戦が中2日か、中3日かで福岡は主力を甲府戦に投入できるか、できないかがーータイトルを狙う福岡の考え方・戦略が分からないがーー決まるのではないか…。
福岡とは宮崎キャンプで今季も昨季も完全非公開でトレーニングマッチを行い、昨季などは福岡の外国人選手の数と個々のパワーや迫力を見せつけられて0−5で敗れているので福岡サイドには、”主力を温存しても甲府には勝てる”という雰囲気があるかもしれない…。過去は過去、今は今なのでトレーニングマッチの件は原稿を書くための小ネタ要素でしかないが、甲府としては天皇杯の次が中2日でH大宮、中3日でH新潟なので、”その時点で”リーグ戦に絡めていない選手が軸となることはほぼ確実で、それが誰なのかが分からないだけ。J1昇格に向けてターボかスーパーチャージャーが溶けそうなくらい熱くなっているチーム・クラブの勢い、ファン・サポーターの情熱、選手層の厚さ、質などでJ1福岡に挑める状況でありたいし、勝ちたい。で、天皇杯の話はここまでで、当面はリーグ戦に集中しましょう。
(松尾ジュン)