山梨フットボール

「ウィリアン・リラの戦力化に目途がつき、琉球戦の悔しさを晴らした金沢戦」【2021明治安田生命J2リーグ第11節 甲府2-0金沢 レビュー】

ウィリアン・リラ(右)の戦力化の目途がついた意味でも金沢戦の勝利は価値が高い。リラは試合前日、自分でサイドを剃り上げて初出場に備えたそうで、結構若く見えた。

2021年5月1日 甲府2-0金沢(14:03K.O/JITリサイクルインク スタジアム/入場者数 4,283人(新型コロナウィルス感染予防対策のため、制限付き。入場者上限5000人以下、または、収容率50%以下での試合開催)/天候 晴 中風/気温 24.3℃/湿度 25%)

得点者 19’オウンゴール(甲府) 66’泉澤仁(甲府)
△◯◯◯●●△△○●◯

曜日の試合で町田が山口に敗れたので甲府は暫定5位だったのが確定し、昇格圏2位・琉球と10ポイント差の5位。順位的には悪くはないけれど、1位・新潟と11ポイント差なので大型の連勝は必要。振り向けば18位の群馬と勝ち数が5勝と3勝で2勝分しか差がなく、上位2クラブと6連勝で3位の京都が走っていることが目立つ。琉球戦の次の試合に勝ったことは嬉しいけれど、ニヤニヤできる日はまだまだ先。

節は分水嶺になる可能性があると思っていたが、ウィリアン・リラを起用した伊藤彰監督の判断・決断は結果に繋がった。第9節のホーム・相模原戦(2-0○)で浦上仁騎と北谷史孝をDFラインで先発させたときも口には出さなかったが”エイヤ”という気持ちはあったようだけど、選手は結果で応えた。リラはゴールこそなかったけれど、DFを背負ったときの強さとキープ力を発揮してボールを失うことが少なかった。ワントップがこれをしてくれると後ろの選手はちょっと休めるし、攻撃の押し上げにも繋がる。伊藤監督は「合流前は映像だけを見て”パトリック(G大阪)みたい”と言ったけれど、もう少しポストプレーヤー寄りかなぁ。コンディションが上がればもっとよくなると思う。このチームが何をやろうとしているのか、何を求めているのかに反応できることが素晴らしい」と評価した。

前半は甲府のキックオフ。このボールを蹴ったのは初出場のウィリアン・リラ。

球戦(0-1●)の執拗な抗議に対する罰金は25万円。これは真摯に反省して受け入れないといけないけれど、あの判定に対する検証が公になされないことについてはモヤモヤが残る。選手も監督もミスをするし、審判を欺こうとする選手もいるのだから、3人の眼だけで判定する審判にもミスがあるのは受け入れられる。主審・副審個人に対して云々はないけれど、選手・コーチングスタッフと審判団の関係性としてのコミュニケーションは充分ではないと思うし――審判の権威・威厳を守ることも大事だと思うけれど――検証結果を共有できるシステムがあればお互いにもっと尊重し合えるはず。ともかく、甲府の選手・スタッフはファン・サポーターがグッズ購入でクラブを支えようとしてくれたことに感謝してピッチに立った。

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