山梨フットボール

「素直に喜んでいいのか迷うところもあるが、難しい前半に中村亮太朗が決めたゴールで3連勝」【2021明治安田生命J2リーグ第4節 愛媛0-1甲府 レビュー】


2021年3月21日 愛媛0-1甲府(14:03K.O/ニンジニアスタジアム/入場者数 1,593人(新型コロナウィルス感染予防対策のため、制限付き。入場者上限5000人以下、または、収容率50%以下での試合開催)/天候 曇 弱風/気温 15.6℃/湿度 61%)

得点者 39’中村亮太朗(甲府)
△◯◯◯

半の流れが悪い時間帯は”こういう試合でワンチャンスに点を取って勝てば強いチーム”と思ったし、39分に中村亮太朗が先制点を決めたときは”流れが悪い試合でもセットプレーで勝てるチームは強い”と思ったけれど、試合が終わって時間が経ってくるともしかして”薄氷を踏む思いの勝利…”という気持ちも湧いてきた愛媛戦。

晴らしい3連勝に逆張りをしたいわけではないけれど、関口正大のシュートがたまたま中村亮太朗に通り――中村はしっかりと準備していたけれど――得点感覚が高い中村が咄嗟の反応でシュートコースを変えてゴールを決めた決勝点。…と、思い始めるとちょっと不安な気持ちにもなる愛媛戦の勝利。こういう試合やこういう勝利があるのがサッカーなので12月になって”振り返れば杞憂でしたね”となればいいけれど、主導権を取り10本のシュートを打った後半に追加点を挙げられなかったことに危機感を持って3連勝を受け止める必要があると思う。

決勝ゴールを決めた中村亮太朗(前列右から2人目)素晴らしいゴール感覚。ただ、守備ではコースを切りながら寄せることができずにボールを回された場面もあり、寄せ方に工夫は必要ではないか。

府のKOで始まった前半はゲームが落ち着く前から主導権を取れそうな雰囲気でスタートしたし、愛媛も”甲府は強い”という受けの感じがあった。後半途中出場した内田健太の試合前のコメントにも「甲府に勝つのは難しいと思う」という一言があった。3分に新井涼平が吉田眞紀人の後ろから競りにいってファールを取られ、FKを与えたがこのFKは枠を外したけれど結構いいシュートで雰囲気が変わったように感じた。愛媛のワントップの吉田がトップスピードで甲府のDFラインのボール回しに連続してプレスを掛けて守備のスイッチを入れ、WBに入れたボールに対してボランチかSB、SH、シャドーかFWが3枚で蓋をしに来ることでサイドから前にボールを供給することが難しかった。

んか変な感じだなぁと思いつつ見ていてあれこれ考えたけれど、WBに蓋をされて戻したボールをDFラインがロングボールを蹴らされることは仕方がなかった。そのロングボールを収められずに愛媛の攻撃になったときの守備に課題を感じた。枚数では上回っているのにファーストディフェンダーが効果的にボールに寄せきれず――愛媛の前線の選手も上手かった――連動して奪えずに繋がれた。ただ、愛媛の前線は狭いスペースで繋げてもラストパスやクロスの精度は低く、大したピンチにはならず助けてもらった序盤。

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