山梨フットボール

宮崎キャンプレポート「楽観はないけど期待は膨らむ。今季2試合目のTM・J3熊本戦(45×3本、1月29日、@宮崎県綾町小田爪G)はハードにプレッシャーを掛け合って3-1(得点者:有田光希、小林岩魚、宮崎純真)」【練習場から】

「新戦力FW・有田光希が1G1A、宮崎純真はTM2試合連続ゴールでブレイクスルー前夜感…滲ませる」

昨季の同時期よりも期待が膨らむTM(vs熊本、45×3本)・2試合目(2-0、0-0、1-1)の内容と結果。3ゴールの収穫と押し込まれ、前に運べない時間帯の修正点も開幕までに改善できると感じさせる選手の質と層。未合流や別メニューやコンディションでスキップした選手が8人いるので1本目をベストメンバーとは言えないが、”現時点”という3文字をつければそれに近いメンバー。

熊本市内から約2時間掛けて宮崎県綾町に来てくれたJ3熊本は大木武監督が率いて2シーズン目のチーム。始動が1月20日で甲府よりも約1週間遅いものの、選手には宿題を出していて始動日に3時間30分のハードトレーニングを行い、その後の2部練習も午前・午後それぞれ2時間以上やるほどアクセルを最初から踏んでいる相手で、静岡で対戦した東京Vよりも動けて走れるコンディション。熊本は昨季の4-3-3から今季はここまで3-4-2-1。始動一週間で広島とTM(30×3本。0-1)を行っていて、甲府と同じスタートポジションから積極的に前からプレッシャーを掛けてくる相手だった。

1G1Aの有田光希。「いつでも出せるタイミングのボールの持ち方をしている(泉澤)仁とはやり易かった。試合での成功体験は自信になる」と話した。

岐阜時代に監督と選手の関係だった大木武監督(手前)、北谷史孝(左)、野澤英之(右)がTM前に挨拶と談笑。三平和司は京都で大木監督と共に戦っている。

キックオフ前に大木監督が「(TMを)やってくれてありがとう」と甲府のスタッフに話していたが、甲府にとっても前から積極的にプレッシャーを掛けてくる熊本――フェアプレーでやってくれた――とこの時期にTMを行なえたことは有り難かった。

2ゴールを挙げた1本目は決めた有田光希、小林岩魚は素晴らしかったが、チャンスメイクのところでは野津田岳人、泉澤仁、金井貢史の能力の高さがあってこその決定機でもあった。ボランチの野津田は攻守でどこにでも顔を出している印象の運動量と戦術眼。そして、それを最終ラインで山本英臣がキープ力と配球のセンスで支えていた。山本―野津田のセンターラインは少なくとも序盤戦で勝ち点を稼ぐためには欠かせないことになりそう。そして、左サイドは内田健太が愛媛に移籍したがWBの金井貢史と泉澤が左利き(攻撃が左勝り)の甲府を演出しそう。昨季はケガで終盤に離脱した泉澤がこの時期からしっかりとTMでプレーできることは大きなプラス要素だ。

先制点は野津田のサイドチェンジが起点で、泉澤がドリブルから裏に出したパスを金井がクロスを入れ、有田がギリギリのところで滑り込むように押し込んだ流れで、左利きの甲府が何度もやりたい形であり、昨季の得点パターンの一つ。2点目は左サイドで有田がドリブルで引き付けてファーが空いたところに小林が入って利き足”じゃない”右足でしっかり押し込んだ。1本目はもう少し高い位置でプレーし、ボールを奪いたかったところだけど、熊本の前プレ(前からのプレッシャー)もハードだったので、”この時期にそれでも2点取れた”ことがよかった。攻め込むも最後の精度を欠いた熊本に対して2ゴールをキッチリ決めたことは素晴らしいし、野津田の質の高さがよ~く分かる1本目で、このまま広島から野津田を”借りパク”できないものかと思ってしまった。

1本目先発布陣。右のWBは荒木翔ではなく小林岩魚でスタート。ここは”試したのかなぁ”という感じもあるが、3本の遣り繰りの都合もあるかもしれないので、詮索はまだ不要かも…。小林にとってはゴールを決めたことが収穫。

1本目の先制点は#16野津田岳人のサイドチェンジから。#39泉澤仁がドリブルで仕掛け、引き付けて#5金井貢史に出し、そこからのクロスがアシストになった。

先制点を決めた有田光希は金井貢史のクロスに滑り込むように入ってワンチャンスをモノにした。

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