山梨フットボール

「5試合連続の引き分けという結果は受け入れ難いけれど、悪くない内容を悪いとは言えない。期待と希望が繋がっていることをポジティブに捉えたい」【甲府2020明治安田生命J2リーグ第23節 甲府0-0東京V レビュー】

2020年9月30日 甲府0-0東京V(19:03K.O/山梨中銀スタジアム/入場者数 2,161人(新型コロナウィルス感染予防対策のため、制限付き)/天候 晴 弱風/気温 21.8℃/湿度 50%)

得点者 なし

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合翌日の練習後、山本英臣が「(点を取るところは)サッカーで一番難しいところなんで…引き分けが続いているけど引き分けの質もあるし、昨日の引き分けなら(昇格の)チャンスがあると思うし…ギリギリ追い付いた引き分け、追い付かれた引き分けもあるけど、もう少し怖いチームにならないといけない。いいチーム、いいサッカーで終わるのが一番よくない。積み上げてきたことを証明するには結果が必要になる」と話した。

5試合連続の引き分け。順位は5位をキープ。5連戦の第3ラウンドは福岡が4勝、徳島3勝1分けで走っているものの、甲府を含めて他が勝ち切れていないから5位をキープできている状況。勝ち切る、ゴールを決めるという課題は目の前にあるものの、山本が話したように”チャンスがある引き分け“と言っていいし、そこに期待と希望は持っていいし、ターンオーバーで積み上げてきた選手の成長に後半戦は賭けい。

同郷(大分)の先輩である藤田優人(左)が約3月ぶりに公式戦のピッチに立つ河田晃兵(右)と試合前にグータッチ。彼らに確認するとそんなに熱くもセンチメンタルな場面でもなかったそうだが、見た目は大分県繋がりで結構いい感じ。

GK河田晃兵が負傷交代をした第2節以来の先発となった第23節ホーム東京V戦。先発を10人入れ替えるターンオーバーの甲府に対して、東京Vはターンオーバーできるだけの選手層がなく3人の入れ替え。立ち上がりの4分に甲府ボールになったときに山本がアンカーに上がるかと思いきや、3バックでポゼッション開始。東京Vは山本のアンカーをケアするために中央を閉めてきたが、「ケアしたらケアしたで空くところがあるという考え方。ケアされたから動くというよりもケアさせることも目的でもあった。それで自分自身のリズムは出ないけど、チームとして出せるところは沢山あった」と山本はロングボールも使いながら対応。

藤彰監督が、「オミ(山本)だけには“判断しろ”と話していた。(ボランチ2枚を含めた)3枚の距離感を縮めるのがスムーズ。オミが上がれば(武田)将平が上がるし、オミが下がれば将平も下がる。(東京Vの)トリプルボランチの脇をどう攻略するか。最初は4-3-3の守備から引いて守る4-4-2に変わった。我々にとっていい状況が作れた」と対策に対する対策は充分にやれていた。

京Vのプレッシャーに対して何でもできていたわけではないが、中央が使い難ければサイドを使い18分には左サイドから泉澤仁が入れたクロスがファーで松田力に合ってジャストミートのヘディングシュート。磐田戦(1-1△)で内田健太が松田に合わせたクロスと同じ形で、同じようなゴールをイメージしたがGKマテウスが反応してセーブ。結果から振り返ればこういうチャンスにしっかり、ちゃっかり決めたいところだったが、この時点では”そのうち入るだろう“という余裕はあった。21分には泉澤のクロスに宮崎純真が合わせる決定機もDFに当たってCKになってしまう。スタジアムで見たときは宮崎のシュートだと思っていたが、あとで聞くと「(松田)力さんへの折り返しでした。中に力さんがいるのが見えていたんで、通れば1点でした」と話してくれた。シャドーで初先発だった宮崎はボールを失うことも1回くらいしかなく、成長を感じさせた。「去年の僕ならあそこに入ってなかったと思うんで個人的には次に繋がる試合になったと思います」と、ゴールに絡めなかったことは残念だけど成長を感じられることは大いにポジティブ。

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