「満足も悲観もない地味なノーゴール引き分けも若手や2番手の起用・ベンチ入り無失点で希望という感情が沸いた開幕戦」【2020明治安田生命J2リーグ第1節 町田0-0甲府 レビュー】
2020年2月23日 町田0-0甲府(14:03K.O/町田GIONスタジアム/入場者数6,421人/天候 晴 無風/気温 14.3℃/湿度 27%)
得点者 なし
◇◇◇◇◇
「身体を張ったスライディングでシュートと失望感もブロック」
「次のホーム開幕戦に向けて繋がる勝ち点1だと思う」とキャプテンの新井涼平がコメントしてくれたが、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で第2節から第4節までが延期となり、昨季同様に――予定通りにリーグ戦が再開すれば――開幕から3試合連続でアウェーとなった甲府。開幕戦をアウェーで引き分けたのも昨季と同じで、なんか似ている感じもするが今津佑太と中塩大貴の若いCBコンビのプレーが勝点1に希望という味付けをしてくれた。試合内容については不安や心配に気づかないふりはできないけれど、時期的に大騒ぎする必要はない。甲府は変革期、チームの熟成や進化に期待を持ちつつ若手選手の成長に希望を見出したい。
小林岩魚(23歳)、荒木翔(24歳)、中村亮太朗(22歳)という若い選手がベンチ入りを果たしたことも昨季とは違う感じをキックオフ前に感じさせてくれたアウェー開幕戦。立ち上がりはマイボールにできずに押し込まれる時間となったが、キャンプ中のTMでも見た景色。ビルドアップの完成度や連携が足りないことは想定内だったし、伊藤彰監督の選択肢の中に金園英学(筋肉系のケガ)と太田修介(体調不良)が入らなかったことの影響もあった。この2人はキャンプ中に最も結果を出していた前線の選手で、万全であれば金園がワントップ、太田はシャドーで先発かベンチスタートになっていたと推測できた。
ワントップで先発したラファエルは練習ではコンディションが上がっている動きを見せていたが、ボールを収める、繋ぐということはやり切れなかった。ラファエルだけの問題ではないが、ワントップの選手にはチームを助けるキープ力は欲しかった。流れがよくない4分にチャージを受けて――おそらく――ワザと痛がってゲームを切ってチームメイトに落ち着く時間を与えるところなどは“ラファエル上手い”と思ったが、前線でボールを失わない工夫と連携は必要。
6分頃にはチームとして落ち着いてきたし、今津が浮き球やクロスボールをしっかり弾き返していたので押し込まれている見かけほどは危なくはなかった。そして、20分には松田力の守備からカウンターになり、ドゥドゥが左サイドの泉澤仁に素晴らしいグラウンダーのボールを通して決定機。泉澤はGKとの1対1で決められなかったが――松田が奪った場所は自陣だったが――前線の守備からカウンターという場面を増やせれば攻撃の形は一つ手に入る。練習でもショートカウンターをイメージした3対2や5対4は行っており、もう少しやり込めばよくなるはず。ただ、この試合ではラファエルが守備のスイッチを入れても後ろの連動が遅れて効果的ではなかったことが何度もあった。
(残り 3546文字/全文: 5348文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ