山梨フットボール

川崎Fのサッカーが攻撃的だからこそ空いた裏のスペース。そこが甲府の攻撃を引き出した【無料記事 J1第24節 吉田達磨監督会見】

J124節 吉田達磨監督会見】

 

川崎F戦から発売された「達磨甲府」の甲州ダルマ(1800円)。達磨と書いて「たつま」と読ませる監督のもとで戦うチームにしか作れない貴重なグッズ。

 

 このスタジアムに来てまずサポーターの方々が掲げてくれた(横断幕)。スタジアムがいよいよできるということが先日決まりまして、サッカー専用スタジアムで一日も早く応援がしたい、プレーをさせたい、プレーを見たい、という横断幕を掲げていただいてそれが目に入りました。その時に僕がいるのかどうか分かりませんが、今の僕らはこんな順位でこんな成績で自分たちのチームがプレーすることが、サッカーをすることが山梨県の代表として自分たちがここに立つんだということ。ニュースを見ただけでは「スタジアムができるんだろうな」という程度ですが、横断幕を見て近い将来我々はプロのチームとして(新しいスタジアムで)やっていくんだなぁと思いました。おそらく選手も感じたと思いますし、大きい白と黒の横断幕だったと思います。

 試合は甲府としては涼しいこともあって立ち上がりからかなり集中力高くプレーしてくれたと思います。戦術は省きますが、自分たちが鋭く相手の隙に対して「何かを持っていようぜ」というものを持ってくれていたと思います。川崎Fに対してピンチなく、ヒヤヒヤすることなく45分を終えるなんてことは思っていなくて、ヒヤヒヤして1点を取られるかもしれないし、突破されて横パスをされて誰もいないゴールにドンと入れられる可能性もあるし、いろいろなネガティブな予感をこういうチームとやるときは持つものですが、選手はクロスに対しても横パスに対しても上手く対応していたと思います。

 PKに関しては僕のところからは何とも言えないもので、そこで家長君がペナルティボックスの中でボールを持った時にインサイドのコースを空けるのはセオリーからも外れていますし、そこでギアが上がる彼のクオリティは普段の僕たちにはなかなかないもので、左サイドは対応に手を焼いていたのかなぁと思います。

失点は仕方ないにしても、リマがイエローカードを出されて、理由は分からないですが、サッカーをやっていれば交錯するものでそれがどういうレベルの交錯で、どちらから足が当たったのか、ボールがどこにあったのか、僕のところからはイマイチ分からなかったですが、異議によるイエローカードだったんじゃないのかなぁと思っています(*公式記録は反スポーツ的行為で異議ではなかった)。あのタイミングであの飛び方をされてPKを取られてイエローカードまで出されて、あまりそういうことは最近見ないですし、PKならPKなのでリマは僕たちの中心選手で今日も素晴らしいプレーをしていましたが、3枚のイエローカードを貰っているリマが、もし、異議によってイエローカードを貰ったのであればいくら中心選手でも許されることではないので厳しく指導したい。もし、異議でないならイエローカードの理由が分からなということになりますが、それならアンラッキーだねということで…。ただ、日本の選手、家長君もそうですけど、2週間空けて対戦する清水にもいいアタッカーがいますし、金子君や白崎君も復帰してくるでしょうし、そういうプレーを見ながら、次にリマが出るであろうゲームに質をもう一度頭に入れながらやって行ってほしい。無駄なイエローカードはなくしていきたいし、そういったものを含めて今日の試合は次の試合を彼なりに分析して次に向かってほしい。

 後半ドゥドゥとリンスがゴールを決めて、ゴール欠乏症といわれる僕たちにとってはすごくいい展開だったと思います。最後にセットプレーから追いつかれてしまいましたが、最後の最後のところで言葉が通じないにもかかわらず日本人、ブラジル人の選手が高い集中力を持って防いでいるわけですから、あの折り返し、折り返されたらどうなるのか、ファーにボールが飛んだとどうなるのか、セットプレーの次に生まれるものは今日の勝ちが逃げて行った大きな要因だと思いますから、反省点として持っていたい。

 今日はポジティブな姿勢と自分たちが支えられているもの、向かっていく先、スタジアムの話もそうですが、私も選手もチームも力を貰って戦えた試合だと思います。それだけに勝点3で終われなかったことは残念ですが、次のエスパルス戦も小瀬で戦えますからここで山梨の代表として、勝点3を取るという思いを持ってこの2週間を過ごしたいと思います。

 ――今日の攻撃はドゥドゥと堀米、ドゥドゥとリンスという組み合わせでしたが、攻撃の形は相手が川崎Fだから威力が出たのか、普遍的なものなのか?

 堀米とドゥドゥでスタートしましたが、もちろん相手があってのことなので川崎Fの攻撃力、破壊力は皆さんがご存知の通りで、攻め込まれると(裏に)大きいスペースがある。彼らが押し込んで来るところの反対側を突けたというところはあると思います。堀米とドゥドゥのコンビは初めて…というかそんなに記憶にないほどで、基本的には堀米とウイルソンが多くて、リンスはブラジルから来たといっても冬のブラジルからなので90分最後まで馬力を出すフィットネス的な補償がなくて、そのチョイスにしたが、堀米はネットと大島君の後ろで彼の得意なプレーをしたし、ドゥドゥは奈良君と谷口君の後ろに入って行く2人の良さ…。堀米は小さいスペースでもプレーできるのが良さで、ドゥドゥはでっかいスペースがあるとやることができるのが良さで、この2人が上手く重なり合ったのは川崎Fの攻撃的なサッカーあってのことだと思いますが、2人とも身体がキレていたので普遍的なものになっていけば、ノーマルなものになっていけばいいと思いますが、相手が攻撃的だったことは半分あると思います。

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