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「自分たちの何かが削がれてしまった。少しガクッとするというか、自信がなくなったのはそのあとのマイボールの時間を見ると明らか」吉田達磨監督【無料記事 J1第21節 吉田達磨監督 記者会見】

【J1第21節 吉田達磨監督 記者会見】

ガンバ、レッズと優勝を狙うチームを迎えて2連勝を狙っていましたが、残念ながら0-1で敗れると…。僕たちは久しぶりに4日前の試合で勝利して共に小瀬からの楽しい帰り道を先日は作ることができたが、同じようなハッピーな気持ちで皆さんを幸せにできずに悔しいです。

前半10分を見て静かな試合になるだろうと、自分たちは崩れないも相手も思いっきりエネルギーを出してという形ではなく、シンプルにサイドに起点を作って裏にランニングしてきて、時々危ないクロスが飛んできて、セットプレーがいくつか続いて、それでも自分たちは崩れるところがなかった。しかし、1回というか縦パスに上手く入り込まれて柏木(陽介)君のシュート自体は――ゴールを分類すると――年に何回かのスーパーなゴールになると思います。シュートを打つタイミング、飛んだ場所、彼の技術も想像力もサッカーを楽しんでいる気持ちも称えるしかない。

それを見て自分たちの何かが削がれてしまった。少しガクッとするというか、自信がなくなったのはそのあとのマイボールの時間を見ると明らかですし、普段は落ち着いてサッカーをやろう、何かをやろう、アイディアを持とう、そのために想像したものを現実に披露するために練習を一日一日大事にしようとやっている中で、いとも簡単に自分たちが努力してもなかなか身に付かないものを、いとも簡単にポンと入れられたわけで、僕もサッカーをやったことがありますからガッカリするというか、差を見せつけられたゴールだったと思います。前半、あまりにも静かだったというか、あまりにも向かっていく姿勢がなくなった。前半の後半ですね。

ハーフタイムに頑張ろう、もう少しやらないといけないと話をして、選手もおそらくそう思ってピッチに立ったと思います。1点取らないといけない展開とはいえ、選手たちはよく走りましたし――走るだけがサッカー選手の仕事じゃないだろうと言われればその通りですが――狙って走って5分過ぎるまではほぼ自分たちが一息つく間もなくプレッシャーを掛けて前にボールを出して、追いかけて、そういった時間を後半の立ち上がりに作れたことはそのあとの45分間勢いを持続することに繋がったと思います。

負けるということ、負け方はあって、もし後半も前半のように意気消沈してプレーして負けるとこれから何の希望もなく、絶望的な負けになったでしょうけど、後半選手は顔を上げて思い出したかのようにプレーしました。クリーンヒットいうか、きれいにシュートまで持って行かせてもらえなかったですが、高野(遼)という新戦力が入ってクロスのシーンが4回あって、橋爪勇樹も右サイドから攻撃を活性化させ、怯まずに戦うことを彼自身が選んで、島川(俊郎)もセカンドボールを拾って展開力でいいもの出し始めて、小椋祥平も相手にボールを渡した分を取り返すような走りを見せましたし、田中佑昌もかなりの疲労の中で前半で疲れてしまうかと思ったが最後まで走る姿勢を見せたし、前半イージーに倒れたドゥドゥも後半地面に立ってプレーしましたし、ウイルソンもファイトし続けました。(エデル)リマ、阿部(翔平)は安定感を後半見せたし、新井涼平は争いに一度も負けなかったし、新里(亮)は攻撃参加でよさを見せてスピード対応でもよさを見せている。河田(晃兵)は僕らにしては珍しく相手陣内にいる時間が長かったので、その中で集中を切らさず声を出す仕事をやってくれた。

これだけの選手が前半と後半違う顔を持っているわけですから、その違った一面を何があってもショッキングなこと(柏木のスーパーゴール)があってもやり続けないといけないですし、選手名鑑を見ると浦和と甲府のいろいろな違い(代表歴、海外クラブ経験、年俸など)が出ていますけれど、ピッチに立てば11対11の男同士の戦いであって、そこに怯む必要はないし、いくつかクオリティに差があっても大きな差はないんだと、そのためには少しでも多く走り、スカしてサッカーをするんじゃなく、全身でプレーすることが大事だろうということ。

このことを僕たちが理解できれば、この負けは絶望的などうしようもないものでなくなる。次の札幌、広島と続く残り試合全てに繋がっていくものだと90分間戦い終わって思いました。後半選手たちが見せたファイト、賢さ、鋭さ、欲を忘れないようにまた4日後の午後1時、朝起きてすぐという時間ですが、そこに自分たちの持っているもの全てをぶつけて、今日できなかった勝利を…、ファン・サポーターの皆さんのために一丸となって勝利を掴みたいと思います。

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