山梨フットボール

「(サポーター代表の言葉を)1回で有難く受け止めてそれを結果に変えることができたのはいいことですけれど、そういった方もいて僕たちは彼らの思いを代表できることを改めて理解しました」吉田達磨監督【無料記事 J1第20節(甲府 1-0 G大阪) 吉田達磨監督会見】

【J1第20節(甲府 1-0 G大阪) 吉田達磨監督会見】

夏休みに入って何日か経って8月に入り、今日いつもと違ったユニフォームを着て、新しいチャレンジ、心機一転。自分たちが何をどこをどう見ても「こいつらダメだぞ」というものしか目に入らない、耳にできない状況で迎えるG大阪戦でした。いつもに増して応援は感じていましたし、選手もそうだったと思います。結果勝てたのは、力が出なくなりそうなときに、最後まで走り切る力を貰える、そういったスタジアムだったと思います。感謝したいと思います。

ピッチ外でもいいニュースがなく、選手はトレーニングをして競争をしてスタメンが何人か替わりましたが、その中でG大阪に向かっていく覚悟を持って迎えました。前半の45分を見ると彼らが今日持っていた、身に付けていた戦術的な動き、イメージはほぼ手にしているにも関わらず自分たちが持っているボールをイージーに失ってしまったりとか…。精神的なプレッシャーは理解できます。今日のゲームが持つ重要性を――コッチもアッチも同じでしたが――自分たちが重たい中で、例えば横パス1本入れただけで前半20分過ぎから(スタンドから)溜息がもれますし、G大阪相手に攻撃が一瞬で終わる怖さを選手に伝えました。それでも早く攻めてほしいスタンドと(ボールポゼッションを)回復させないといけないことが頭で分かっている選手たちの(スタンドとの)プレッシャーの戦いが前半のおおよそだったのではないかと思います。

強烈なカウンターを持つG大阪相手に、奪ったボールを簡単に相手に渡す、カウンターで4~5人出て行ったときに相手が壁を作ってそこにクロスを入れても跳ね返される。それではカウンター返しを喰らって終わっていく図式です。

プレーをするのは彼らであって、それを支えてくれているのはファン・サポーターであって、彼らには走ったりバトルしたり声を出したり相手を弾き飛ばしたり、そういったところでスタンドと共に戦って欲しいと思います。プレーの判断は自分たち自身でやって欲しいし、やらないといけないと前半は思いました。

あんなにウチの選手は下手ではないし、それでもあれだけイージーなミスを、判断のミスをしていく。そのプレッシャーと戦っていく。その中でテクニックを出したり、判断を出したりということを、今一度見直していかないといけない。

ここに何をしに来たのかといえば、勝ちに来て、プレーしに来たので、それを放棄したようなシーンが多々ありました。後半に入って彼らの中でメンタル的にというか、落ち着きを取り戻し、意図的に攻めていく場面が後半の立ち上がりにいくつかいいものがありました。右サイドで相手にパスをする場面もありましたが、それまでに落ち着きを取り戻して後半に入ったと思います。後半に落ち着きを取り戻したシーンが今日最後まで足が止まらなかった、戦術的に大崩れしなかった一つの要因だと思います。

鹿島戦は前半の45分を戦っていい手応えがあって、後半の立ち上がりの30秒で全てをふいにするようなことをしたので、後半立ち上がりはもう少しナーバスになるかと思いましたが、そこはしっかりと地に足をつけて入ってくれた。そして、最終的にウイルソンのゴールが生まれた。

3日経てば浦和とここでまた戦わないといけない。おそらくシュートもクロスもコンビネーションも雨霰のように打たれる、やられると思います。それでも粘り強く戦い、相手が100%プレーを成功させるわけではないので、しっかりとミスを突いて、ミスを待つのではなく、ミスを呼び起こして戦う自分たちのスタイルを忘れてはいけない。自分たちがプレーをしなければならない時間、何かを披露しないといけない時間帯に自分でジャッジして自分たちが堂々と戦い攻める時間を小瀬に見に来てくれた皆さんに見ていただかないといけないと思っています。

最後にウイルソンのことですが、彼自身これだけ長い間点が取れないということは初めての経験だと思います。その中で前を向いて、トレーニングをして僕にも厳しいことを、地獄に落ちる様なことを言われながらそれでも続けて今日の1点を取った。おめでとうと言いたい。日本人選手も――僕の経験上のことですが――選手は(ウイルソンに対して)文句を言いたくなるし、何のために来ているんだともきっと思っただろうし、そういう中でもウイルソンをサポートして裏切らずに、見捨てずに来たことはヴァンフォーレらしさだと思う。ウイルソンにはおめでとうと言いたい。彼にはもう1回、もっと持っていると思うので、頑張れと同時に言いたいです。

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