山梨フットボール

「走り切って力を出し切った選手を誇りに思います」吉田達磨監督【無料記事 J1第15節 甲府対柏 吉田達磨監督 記者会見】

【吉田達磨監督 記者会見】

苦しい時間も苦しいシーンも沢山ありました。そうはいっても、「そりゃそうだろ」という話で(甲府と柏は)今いるポジションも違いますし、そういった、そもそもそういう試合になることは分かった上だった。選手は集中を切らさずに最後まで走るところ、時々勝ったり、時々負けたりしたけれど、素晴らしいファイトだったと思います。ホームで引き分けで「ナニ言ってんだ」という話かもしれませんが、今日の自分の選手を誇りに思いましたし、また、もっとやれる手応えも感じました。対戦相手の柏はいいトレーニングを積んで、いいビジョンのもとに果たした8連勝は運ではできないですから。僕たちがそこに到達するにはまだまだ差があるんだなぁと同時に感じました。サッカーですから、ファイトして狙いを持ってやっていくことで、スコア的な差は縮められるし、ファイトしていくことが大事だと僕もチームも改めて分かる試合になりました。今日はたくさんの応援があって、おそらく見に来て下さった方の多くは難しい(試合になるだろう)という中から、(応援で)本当に力を与えていただいた。選手が最後もう一歩を出すというところに繋がったと思います。(応援のお陰で)心強く中銀スタジアムで戦うことができました。

試合でいえば、決定的なチャンスが、クロスから合うか合わないかではやはり柏の上手さ、強さ、反復性が見られたところで、僕らも同じように狙いましたけれど、合わない場面があった。そういったボールの質のところ突き詰めて、高めていく。今日はいつものヴァンフォーレと違ってゴール前に入って行く意思と、ちょっとだけのアングルは持てたと思う。

首位に引き分けてこれだけの拍手をいただいて嬉しい思いと、ちょっとした悔しさが僕の中にあって、上手く整理ができませんが、今日走り切って力を出し切った選手を誇りに思いますし、彼らの走り切った感覚、感触は忘れずに身体に沁み込ませて、頭に残して心に残して――天皇杯がありますが――エスパルス戦に向けて努力して、次は勝つ姿を見せたい。

――仙台戦から2週間、チームに取り戻せたものは?

「仙台戦は技術的なミスがどっと出た試合で、年間に何試合かはあるかもしれないが、それを出してはいけないタイミングで、出してはいけない場所で出してしまった。実は、そのキックが(仙台のDF)を越えていればウイルソンが5~6回GKと1対1になったところがあったことを試合をやりながら分かっていました。しかし、それが通らない、通らないから走らなくなる、受けなくなるという悪循環になる中で、走ったり戦うことが少しずつボリュームが落ちた試合だった。選手には『これだけ狙い通りに動いて、仙台のちょっとした隙を狙ってやれていた』ということを(戻ってからのミーティングで)確認して、『こういうところで切り替えとか、ヘッドの競り合いとか、足を出すとかができないと、俺たちは負け続けるよな』というところは、痛いですが0-3の敗戦で確認できた。それが今日、カッコよくはないですが、ファイトして喰らいついていくことを取り戻すことに繋がったと思います」

――出場停止の選手が2人いましたが、どういう狙いで新井とボザニッチを起用したのか?

「小椋が出られなくてどうしようかなというところで、新井は仙台戦で大きな反省をしないといけない選手の一人で、彼からはまだ戦える意思を感じたし、小椋のようにセカンドボールを取って、ボールハントして、相手に多少ボールを持たれたとしても魂を持って喰らいついていく選手は必要ですし、新井は(今週の早い時期に)必要だと思ったので、焚きつけながら出しました。オリヴァーはコンディションがこのところよくて、火曜、水曜のトレーニングで(先発を)決めたが、ちょっと違った配置というか、前線の並びの人数とか狙いどころで違うものを持っていたが、オリバーと新井のいいコンディション、トレーニング振りを見て(これまでと)同じような並びで行こうかと思いました。2人ともよく頑張ったし、ミスもありましたが、彼らが兵働の周りでエネルギーを出してくれた。兵働の得意とするのは前を向いた状態でボールを配給することなので、その良さを出すために新井とオリバーの活力は大事だし彼らがボールを追いかけられる背景にはウイルソン、ドゥドゥのツートップでかなり守備に気を使って研ぎ澄ましてやってくれたことがある。新井とオリヴァーはよくやってくれたがツートップのお陰もあると思います」

――イエローカードが前半の早い時間から出ましたが、前半に2枚出たことで(退場のリスクが高まり)采配に影響しましたか?

「オリヴァーのイエローは勿体ないというか、(ファールでプレーが止まってから相手ボールを)2回触るとカードが出るのは世界共通。やってはいけないプレーで、彼はそういうことをするタイプじゃないのでびっくりした。今後はしないと思う。ドゥドゥはイエローカードというより…イエローですから退場が心配になっていた。彼には『レフリーはオマエの友達じゃないんだから、コロコロ転んでいたらカードは出してもらえないし、(逆に)イエローを出されるよ』と、マリノス戦以降言っている。(ドゥドゥのファールは)汚いプレーとは思わないが、(あれで)イエローなのかと思ってしまう…。4枚目ですからね…」
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