山梨フットボール

【2017明治安田生命J1リーグ第8節 甲府対C大阪 吉田達磨監督 記者会見】「彼はその片鱗を見せることなく、天才たちに怯んで戦うことをせずに負けていった」

【2017明治安田生命J1リーグ第8節 甲府対C大阪 吉田達磨監督 記者会見】

いつも1万人以上の方の中で――ホームの開幕戦の鹿島戦から始まり――試合ができている。選手には(ファン・サポーターに)勝点を持って帰ってもらう、ホームなので勝とうと(話した)。プレーする姿も見せようと、前節の新潟戦のようにチグハグな、走りたいんだか、走りたくないんだか、ボールを持ちたいんだか、ボールを持ちたくないんだか、誰かが来たくて、誰かは待ちたくて、ではなくプレーしている姿を見せようと。そういう姿を見に来ている人に(それを)持ち帰ってもらう。仮にうまくいかなくてもズタズタに押されることがあっても、不細工でもいいから全員で耐えて(ファン・サポーターに)勝点を持って帰ってもらって、少なくとも幸せに帰ってもらおうとミーティングで話した。

本当にそういう展開になったと思います。前半、苦しいところはそこまでなくて、後半になって徐々に疲れが、ジャブが効いてきて、疲れが溜まってくる。そういうギリギリのところで跳ね返し続ける展開になった。勝点1を取ったことは大きいこと。C大阪に勝点3が入らなかったが、簡単にいうと彼らが勝点2を失った内容だと思いますが、長いリーグ戦ではこの勝点1が響いてくる。僕らは勝点1が大事なチームですし、それを命辛々勝ち取ったということは、幸せを持ち帰ってもらったことは良かった。

しかし、内容についてはプレーをすること、ボールを欲しがっていくということに関しては大いに反省しないといけない。中銀スタジアムに見に来てくれた皆さんは拍手、声援を送ってくれたが、やっている僕たちは、引き分けてとか、勝って反省をしていかないと成長はないし、今日の試合に関してはもっとできると選手に伝えた。これからヴァンフォーレが成長して勝点を積み上げていく中、もう少しプレーする時間を作っていかないといけないと思っています。新井選手が立ち上がりにケガをして、畑選手が入った。畑尾選手は今週のトレーニングの最初は(紅白戦で)スタメンチームに入りました。(先発に選ばなかった理由は、そこで)ヒットしなかったといえばそれまでですが、僕の中で新里選手という全部の試合に――途中からでも――出ている彼がいる状況で、山本選手がケガで出られないとなったときに、(畑尾選手は)ルヴァンカップでもいいリーダーシップを発揮していましたし、(C大阪戦は)畑尾選手で行こうかと山本選手がケガをしたと中でうっすらよぎった中で、ヒットするものがなくサブに回りました。そういった悔しさ、「(C大阪戦の先発は)俺かな」と思ったであろう中で出られなかった悔しさがあったと思う。彼はクレバーな選手だし、出られないかなで努力してきた中、(今回の途中出場では)最初のプレーで得意なクロスのクリアでプレーに入ることができたことは大きかったと思う。その中で集中して点も取ってくれた。

ケガ人が今日も出てしまった。我々のトレーニングに問題があるのか、ツイていないのか分からないがコンディション面も含めて次の神戸戦に向けてトレーニングをする。それをより良いものにして次の試合に行きたい。

最後に、ウチの堀米選手(の話をしたい)。甲府の誇るべき才能でタレントで、柿谷選手、清武選手、山口選手、丸橋選手、杉本選手たちと同じような育成年代を過ごしてきた堀米選手がいて、今日の彼はその片鱗を見せることなく、天才たちに怯んで戦うことをせずに負けていった。これからの彼にとって乗り越えないといけない壁であり、甲府にも天才だ、至宝だといわれた選手がいることを取り戻してほしい。あえて皆さんの前でいうのは、ここからひと皮、ふた皮と剥けて飛び出して行くためには絶対に通らないといけない壁ですし、今日の柿谷選手や清武選手のプレーを見ておそらく「上手いなぁ」と思ったでしょうし、「意外と強い」とも思ったでしょうし、「落ち着いている」と思ったでしょうし…。彼は時間がかかっても、そこに挑戦して近付いて行ってほしい。これに関しては、今日の堀米選手のプレーを見て興奮しているところもあって上手く言えないかもしれないが、皆さんにも期待の目をって見てほしいと思う。

Q
新井選手の負傷について?
A
いわゆる内転筋。キックした時の動作、立ち上がりの(時間帯で)力が入らなかったキックだったと思うが、(痛めたのが)筋肉なので今の時点では何とも言えないが、ちょっと時間がかかるのかなぁと。来週の練習ができるということはないと思います。
Q
畑尾選手のパフォーマンスについては?
A
ピッチに入ってからのパフォーマンスは、「あれくらいはやれるよね」っていう(印象)。クリアもしているし、DFラインも統率しているし、ヘッドも強い。ビルドアップのところも山本選手と違って得意なゾーンも広いというか、あとクサビ、真ん中に入れるパスを怖がらない。フィットしなかったというのはフィーリング的なところもあって、(シーズン前の)キャンプの最初のところでは、「なんで俺は畑尾にこんな納得いかない顔をされないといけないんだ」と思うくらい、あまりフィットしていなくて――彼にもこの話はしたんで――それを(彼が)クリアして清水キャンプの終わりくらいにはいろいろなことがある中で(疑問が)晴れて、努力を続けて成長の幅が広がった選手の一人で、新里選手もそう。(開幕戦の)G大阪戦が終わって――彼は出場しなかったが――G大阪に対してチームがエンジンのスイッチが入って、そこで戦うポジションを争うライバルの姿を見て、おそらく2度目のスイッチが入ったと――僕の視点ですが――思っていて、最近ちょっとモヤモヤしたものがあって、ポンと(紅白戦で主力組に)入ったときにもう少しシャカリキに我武者羅にポジションを取りに来るのかと思ったら普通だったなと。普通なら慣れている選手の方がいいなぁと(いう判断で先発ではなかった)。それは感覚的なものです。
Q
堀米選手ですが、最後イージーなキックというか、ベンチの前で吉田監督に怒られていましたが、我慢して使われているのかなぁと思って…。吉田監督の求めている水準に達していないのですか?
A
全くそんなことはないんです。我慢して使っているのではなく、試合に出場するのに相応しい選手ですし、そういった努力をしている。今日の試合でもオンザボールのところでいいこともしていた。でも、堀米選手に納得しなかったのは、柿谷選手の一つ前に入れたのにそこでボールを守ろうとして突かれてそのボールを奪われた。ああいう風にお互いに名前のある選手(同士の駆け引きで)怯んだんですよね。前にプレーすればいいところで、ボールを取られなくてもボールを守るようなプレーが続いた。(チームを代表して)試合に出ているわけですから、終盤に疲労して大変だったと思うが、それならファールくらい貰えよと。「(チームのために)時間を作ってやれよ」と僕に目の前で言われて。そういった経験値を上げていかないと。下を向くんじゃなく。彼は上手いプレーをたくさんします。期待をしているから腹も立つし、彼がもっとやれることを分かっている。怯んだり、イーブンなはずの局面が負けになったり、勝つはずの局面が球際になったり、そういうところが今日の試合ではこれまでの中で一番で見られた。チャレンジしてほしい。ただ、決して我慢して使っているのではなく、彼が先発の座を勝ち得て出ていることは明確にしておきたい。
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