ヴォルティススタジアム

【無料掲載|インタビュー】「『LV』はクラブとサポーターをつなぐ大事なパフォーマンス」(松澤香輝)。

今節・東京V戦の取材に行くと、練習前にスーツ姿の松澤香輝をチラッと見かけた。3月、ウィンドーはオープンしている。直ぐさま確認に走ると「期限付き移籍が決まりました」(広報)。急な展開ながら、毎年のように2~3月や7~8月は覚悟を持って注意深く様子を見守っているしかない。「数時間後には神戸から飛行機に乗って出発します」というマツくんに、心境を言葉にしてもらった。

聞き手/柏原敏 取材日/3月8日

――いつオファーがありましたか?
一昨日(3/6)です。昨日(3/7)、仙台の強化部長と代理人が練習場に来てくれました。現状の徳島での自分の立ち位置を考えたり、たくさんのGKがいる中で自分にオファーをいただいたことも考えました。徳島には7年在籍させてもらって、居心地が良くて、お世話になったクラブです。でも、今回はオファーをいただいたことに応えたいという気持ちになりました。」

――チャンスを掴むチャレンジをするのですね?
行くからには覚悟を決めて行かなければいけないです。現状を悔しいと感じているからこその決断でもありました。仙台に行って同じ状況を味わうわけにはいきませんし、行くと決めたからには試合に出ることを考えて頑張りたいです。

――昨季、プロ初出場した経験も大きかったですか?
そこで自信をつけたのは事実です。ただ、今シーズンがスタートしてからチームの力に全然なれていないと感じていましたし、力不足も感じていました。特に、ここ数週間は悔しい気持ちが強かったです。そのタイミングでオファーをいただいて、自分の気持ちと向き合って決断しました。昨年の公式戦5試合出場がなければ、きっとこのオファー自体もなかったと思います。

――選手会長について
選手会長という立場でありながらクラブを離れる申し訳なさと、後任が決まっていない中で離れる難しさも感じていますが、次に選手会長を務める選手にもクラブを支えていって欲しいと感じています。

――ファン・サポーターには何を伝えたいですか?
徳島をなくして今の僕はいないです。徳島が大好きです。ここで出会ったすべての人たちに感謝しています。でも、この先も選手として成長したいという想いも強く、新たに必要としてくれたクラブのためにプレーします。徳島への感謝を忘れずに、皆さんに活躍している姿をお見せできるように頑張ります。

――『LOVE VORTIS』に託したい想いはありますか?

『LV』はクラブとサポーターをつなぐ大事なパフォーマンスだと思っています。これがあってこそ、20年にJ1昇格できたとも思っています。『LV』を継続してくれる選手が出てくれたら嬉しいですし、サポーターにもその想いをつないでもらいながら『LV』をこれからもやって欲しいです。

昨年新たに加入して『LV』をやってくれた選手も残ってくれています。その選手が活躍して、皆さんの前で『LV』をやってくれることを楽しみにしています。(児玉)駿斗や(櫻井辰徳)タツのように自分たちから発信していこうと思ってくれている選手もいます。当面は(中河GKコーチ)ピーさんが中心になるかもしれませんが、全員でやっていって欲しいです。寂しいですけど、行くと決めたからには後悔の無いように挑戦してきます。

――GK陣や中河昌彦GKコーチにはどう伝えましたか?
みんなにしっかり話せたわけではありません。でも、多くのことを話さなくても理解してくださる方々ばかりだと思っています。特にピーさんや(長谷川)徹くんには長くお世話になって感謝の気持ちでいっぱいです。本当に寂しいです。つい先日まで、こういう未来になるとは思っていませんでした。徳島で引き続きプレーしたいと思っていましたし、徳島で引き続き貢献したいとも思っていたのは本当です。

徳島で再び必要としてもらえるような活躍をしなければいけないと思っていますし、仙台でも必要としてもらえるような活躍をしなければいけないと思っています。両クラブから必要としてもらえる選手になることができるようにチャンスを掴みたいです。

石井秀典キャプテンからのメッセージ

寂しくなりますね。松澤とは付き合いも長いし、いろんなことを話してきたから、あらためて何かを伝えるということはありませんでしたけど・・・、寂しくなりますね。松澤は若い選手にもいろんなことを伝えていたと思うし、行動で示していたこともあったと思うし、いい部分がチームに響いていると思います。松澤のキャラクターでチームの雰囲気が良くなったこともたくさんありましたし、いなくなることは寂しいですけど、松澤は松澤で頑張るでしょうし、スタンスも変わらないだろうと思います。松澤が抜けた分、僕たちの中から責任感を持ってやらなければいけないという選手が新たに出てくるように頑張ります。


中河昌彦GKコーチからのメッセージ

寂しいよな。あんだけ一生懸命、元気にやってくれてたからな。でも、それが評価されたわけやから、いいことや。寂しいけどな。最後のミーティングでの挨拶も、いい話をしてたと思う。あれだけしっかり話できるんやから、まだまだいけるやろ。

――選手たちにもピーさんにも『LV』を託されていました
言ってたか? まずは選手がやってくれないとな。俺がしゃしゃり出てやるのもどうかなって思うやん。

――自然と選手主導になっていくものだと思いますので、まずはピーさんからお願いします。選手たちシャイなんで。
俺もシャイやで。

――それは嘘です。
なんでやねん! またどっかでやらなあかんかー。

――「どっか」と言わず、今節・東京V戦でやりましょう。まっちゃん、見といてやー!
俺がせんでも「駿斗、行け」って言うたらやるやろ。

――ピーさんから「行け!」のGOサインだけ、何卒お願いします。
しゃあないな、やるか。マツの想いを汲んで、率先して俺がやってやるわ。

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