ヴォルティススタジアム

【徳島ヴォルティスアカデミー】2022シーズン ユース 振り返りインタビュー

徳島ヴォルティスアカデミーのユース、ジュニアユース、ジュニア 各カテゴリーのキャプテンと監督に、今シーズンを振り返るインタビューをおこないました。

今回は、プリンスリーグ四国で3位、夏には第46回 日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会にも出場したユースのキャプテン 鶴田 剛生選手、玉城 航監督にインタビューをおこないました。

徳島ヴォルティスユース キャプテン 鶴田 剛生選手
「シーズン終盤になって、チーム全体がいい形になってきました。シーズン序盤は良くも悪くも、個が強くて、プレーに対する衝突が多く、練習中からお互いの意見を主張し合っていました。それが徐々に変化して、強度の高いプレーが増え、少しずつ団結力がついてきました」

鶴田剛生

-チームが変化したきっかけは?
「日本クラブユースサッカー選手権(U-18) 四国大会2022を突破して、全国大会へ出場できたことだと思います。四国大会の初戦では愛媛FC(〇1-0)と対戦しました。今シーズン、リーグ戦などで愛媛に勝てませんでしたが、勝利したことでチームの団結も深まりました。次のカマタマーレ讃岐戦には引き分け(△0-0)でしたが、最終節のFC今治に逆転勝利(〇2-1)して全国大会に出場できました。
個人として、1年生の時は四国大会は開催されましたが、コロナの影響で全国大会はありませんでした。2年生の時はリーグ戦を含めてシーズン通して勝てず、本当に苦しいシーズンで、全国大会にも出場できませんでした。なので、今年の四国大会では何としても勝ちたい気持ちがありました」

-全国大会では横浜F・マリノス(●1-3)、北海道コンサドーレ札幌(△2-2)、ガンバ大阪(●0-6)という結果でした。通用した部分や手応えは?
「ポゼッションすることに関しては手応えがありました。ただ、ボールを持てても、なかなかゴールに結びつかなかったことは課題だと感じました。例えば横浜FM戦では相手のサイドバックの選手もペナルティエリア内に積極的に入ってきて、ゴールを狙ってきました。技術の部分で大きな差はないと感じましたが、推進力やプレー強度が違うと思いました」

-今シーズンのプリンスリーグを振り返って
「怪我の影響で、試合に出場できたのは第7節の高知高戦からでした。チームとしては、みんなが本当に戦えていたと思います。特にパッションの部分が素晴らしく、ベンチメンバーを含めてよく声も出ていて、みんなで戦っていると感じました。プリンスリーグ最終戦では、メンバー外の選手が試合会場に応援に来てくれたり、チームの結束力が素晴らしかったです」

-リーグ戦では第11節今治東高戦から第13節愛媛戦まで勝利がありませんでした。チームの雰囲気はどうでしたか
「勝てる試合を落としてしまった印象です。守備陣が守ってくれているのに、自分が得点を決めることができず、自分自身にとても腹が立っていました」

-第16節高知高戦から第18節香川西高戦で3連勝になりました。良くなった理由は?
「練習の質がどんどん変わってきました。目標であったプリンスリーグ優勝・プレミアリーグ昇格という目標がなくなってしまいましたが、強度の高い練習ができました」

-今シーズン、キャプテンとしてどのようなことを意識しましたか
「人生で初めてのキャプテンで、最初は何をしていいか、まったくわかりませんでした。シーズン前に怪我をして3ヶ月ぐらい試合に出場することができませんでしたが、その間、新田 洸成選手がキャプテンをしてくれて、とても感謝しています。その期間で自分自身をふがいなく感じて苦しいこともありましたが、試合に出場できなくても監督よりも前に出てチームのために声を出そうと思っていました。そして、自分が出場したときはプレーで引っ張っていくことを意識しました」

シーズン序盤、ゲームキャプテンを務めた新田選手

-鶴田選手はトップチームのキャンプやトレーニングに参加することもありました。どのようなことを感じましたか
「ユースとの違いはスピード感であると感じました。パスやプレー、考えるスピードなど、すべてのスピードが速かったです。もちろん練習の強度も違うと思いますが、圧倒的にスピードの差を感じました。トップチーム昇格を目標にしていましたが、昇格できないことが決まったときはとても悔しかったです。ただ、その悔しさが自分を強くする原動力となりました」

-ユースでプレーするために、大阪から徳島に来ました。徳島ヴォルティスのエンブレムを背負ってプレーしてどうでしたか
「正直、1年生の頃は、自分の目標である“プロサッカー選手になる“ということにフォーカスしていて、ユースに所属するのはそのプロセスのためだけだと感じていました。2年生になってトップチームの練習に参加して、『トップチームの県外出身でも、徳島ヴォルティスのため、徳島県のために必死に戦っているんだ』と感じて、僕も徳島ヴォルティスのために戦おうと強く感じました。大阪から徳島に来て、良かったと感じています」

-今シーズンが終わり、キャプテンとしてメンバーにどのようなメッセージを送りたいですか
「1・2年生のみんなには、一人でも多くの選手がトップチーム昇格を決めてほしいです。同級生には、サッカーを引退したり、続けたり、いろんな道があると思いますが、それぞれの道で頑張ってほしいです」

-今後の目標は?
「僕は大学でもサッカーを続けます。そのために、1・2年生で試合に出場して、3年生で選抜などに選ばれるように頑張って、4年生の時に徳島ヴォルティスに帰ってこれるように頑張ります」

〇徳島ヴォルティス ユース 玉城 航監督

「チームはプレミアリーグ昇格を目標に掲げ1シーズンを戦いました。選手たちとはさらに昇格という結果だけではなく、昇格することで徳島ヴォルティスの価値を上げること。そのためには自分たちが成長しないとたどり着くことができないので、『成長すること』に常に共有しフォーカスしながら取り組みました」

-今シーズン、どのような部分が成長しましたか
「クラブ、アカデミー、チームのコンセプトをベースに、技術的、戦術的、フィジカル的、メンタル的にも選手の目標であるプロサッカー選手に向かって粘り強く努力し大きく成長してくれました。チームとしてもぶつかり合う中でお互いを受け入れ、支え合い良い集団になっていきました。
一人の人間としても『今置かれた状況の中で、自分でどう判断し行動をするのか、相手はどのように感じるのか』を考えて、サッカー選手として、一人の人間として行動し成長するように選手たちに要求し続けました。それがピッチ内でのプレーで表れることもあれば、ピッチ外でも見受けられました。
試合を終えたら会場の掃除を自発的におこなうようになってきました。『誰が自分たちを支えてくれているのか』ということを理解して行動しているのかなと思います。そのような成長が少なからず、性格としてプレーに宿り、パフォーマンスにも表れてきていたと思います」

-新田選手は、もう少しこのチームでやりたかった。本当にいいチームだったと言っていました。
「リーグ戦の終盤に目標であったプレミアリーグ昇格の可能性がなくなってしまい、目標を失った状態となりました。そのなかでも、みんながチームのために練習から取り組み、強度や熱量がどんどん上がり、すごく良い内容と雰囲気で練習ができるチームに仕上がっていたと思います。
うまくいかない時期でも選手たちは『自分に今何ができるか』『チームのためには何ができるか』を考えて取り組み、指導者の僕らも感心することばかりでした。苦しい時だからこそ、努力できる選手が多かったと思います」

-リーグ戦ではチームの得点数は42で、リーグ全体の3位でした
「もう少し判断良くプレー出来たら、もっと取れたなと感じました。まだまだ満足はできません」

選手同士で話し合ったのちに、ハーフタイムの指示をおこなっていた玉城監督。ここでも選手たちに自発性を求めます。

-夏のクラブユース四国大会を2勝1分で突破し、全国出場を決めました。
「近年は四国大会を突破できず悔しい思いをしてきたので、全国大会に出場できたことは良かったです。
全国大会では、個人、チームの特徴を発揮し攻守にアグレッシブに戦いました。立ち位置を取り、相手を観てスペースを作り出し、そのスペースをチーム内で共有でしてボールを動かし前進することや、グループでボールを奪うことはできました。
しかし、全国の舞台で勝ち切ることや、年代トップレベルの選手とマッチアップする中でそこを上回って、良いプロサッカー選手を目指していくという観点で考えると、まだまだレベルの差は感じたと思います」

-その大会を経て、選手たちに変化はありましたか
「夏以降は全国で得た基準と課題をベースに選手たちの意識の質が変わり、練習の質や強度が大きく向上しました。3年生にとってもいい経験でしたが、1・2年生にとっても大きな経験でした。全国大会の敗退が決まった後に自発的にミーティングをしたようで『もう一回、3年生と一緒に残りのシーズンを頑張ろう』『この舞台に来年絶対戻ってきて、クラブ史上初のグループステージ突破をして、歴史を俺らで変えるぞ!』といった話をしたようです。自発的にそのような行動ができる選手がいるので頼もしいです。」

-プリンスリーグだけではなく、Jユースリーグ(U-17の選手)や徳島県Tリーグ(セカンドチーム)にも出場しています
「試合を通じて苦しんだり、成果が出たり、それを繰り返しながら練習で改善して成長している様子を見ていました。来年のチームも楽しみです。」

-玉城さんにとっては監督1年目、どうでしたか
「チームを率いる責任や、難しい決断をしなければいけない場面など、苦しいこともありました。3年生や必死に努力している選手をメンバーから外さないといけないなど、どうしても全選手を100%満足させられない仕事であり、その点が苦しかったです。
シーズン中は、『選手のために何ができるのか』『今どの選択が最適なのか』をずっと考え続けていました。個人的な振り返りと分析は、時間をおいてしっかりと行いますが、監督経験がない中でも選手たちが助けてくれて、みんなと一緒に前に進めた、良いシーズンにしてくれました。選手たちには感謝でいっぱいです」

-今後に向けて
「今後も、自分のやれることにフォーカスし続けながら、選手やチーム、アカデミー、クラブのために力を発揮し続けたいと思います。その過程の中で、自分自身もいい指導者に近づけたらと思います」

2022シーズン主な成績
高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2022 四国 3位
日本クラブユースサッカー選手権(U-18) 四国大会2022 優勝
日本クラブユースサッカー選手権(U-18) 全国大会2022 グループステージ敗退
高円宮杯U-18サッカーリーグ2022・徳島県Tリーグ 6位
2022 Jユースリーグ 第29回 Jリーグユース選手権大会 グループI 2位(12月15日時点)

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