ヴォルティススタジアム

【インタビュー】ベニャート ラバイン監督、就任決定!

徳島ヴォルティスの新監督として、スペイン人のベニャート ラバイン氏が就任。直近はラ・リーガ(スペイン1部)で現在3位につけるレアル ソシエダの分析チームの責任者を務めていた。監督就任は、自身としても新たな挑戦となる。昨日来日し、本日徳島入り。そのまま鳴門大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアムに足を運び、クラブハウスへ向かった。徳島ヴォルティスの新たな旅が始まる。
聞き手/柏原敏 取材日/12月9日

ベニャートラバイン

【自己紹介】

――何とお呼びすればいいですか?
「ベニャート」か「ラバイン」と呼ばれますが、より親しみを込めていただけるのであれば「ベニ」と呼んでいただけると嬉しいです。

――まずはファン・サポーターをはじめ、クラブを応援してくださる方々へ挨拶をお願いします。
徳島ヴォルティスに来られたことを非常に嬉しく思っています。そして、現在はスタジアムにいますが、スタジアムに来られたことも嬉しく思っています。本当に誇りのあるクラブだと思っています。
私はスペインやイングランドで指導者としてのキャリアを歩んできましたが、監督就任は自分にとっても大きな一歩だと感じています。この新たな一歩に、皆さんにもたくさんのサポートをお願いしたいと思っています。皆さんの力が加われば、成し遂げられることがあると思います。

――スタジアムに初めて足を運び、どのような感想をお持ちになりましたか?
「芝がいい」という話は事前にうかがっていましたが、想像していた以上にいいピッチでした。この場所にたくさんの人が訪れて、素晴らしい雰囲気の中で試合ができる日を楽しみにしています。

 

【キャリアについて】

――先ほど「スペインやイングランド」での指導者キャリアのお話がありましたが、どんな道のりを歩んでこられたのですか?
UEFAプロコーチングライセンス(日本のS級ライセンス相当)取得後はスペインサッカー協会の分析担当として携わった経験があり、スペインではエルチェCFやCFフエンラルラダ、イングランドではリーズユナイテッドFCで現場に立ち、直近ではスペインのラ・レアル(レアル ソシエダ)で分析チームの責任者を務めていました。

――何歳から指導者の道に進まれたのですか?
現在35歳なのですが、約15年間ほど指導者としてフットボールの世界に携わっています。自分の生まれ育った町で、子どもたちを教え始めたのをきっかけに指導者人生がスタートしました。

――生まれ育った町というのは、スペインのどこですか?
サン・セバスティアンです。

――では、まさにレアル ソシエダのある町なのですね?
そうです。

――ご自身がプレーされていた頃は、どこのポジションだったのですか?
特長を持った優れた選手というわけではありませんでしたがDFの選手でした。

――レアル ソシエダでは、どのような経験をされてきたのですか?
現在、ラ レアルは非常に成長しているクラブです。そこでイマノル監督と共に仕事をすることができました。ヨーロッパでもかなり高いレベルの指導力を持った監督だと思っています。その監督の一番近い場所で分析担当という形でチームに携わりながら仕事をできたことで、自分自身も本当に成長できたと感じています。そのおかげでチームに貢献することもできたのではないかと感じています。

ベニャートラバイン
【徳島ヴォルティスからのオファー】

――監督のオファーがあった時、一番初めの心境を聞かせてください。
率直に嬉しく、幸せだと感じました。
監督というのは自分自身の小さい頃からの夢でもありました。しかし、同時に監督というのは大きな責任を伴うことでもあると理解しています。なので、その責任という部分も自分の中で大きく感じたことです。

――いつ頃オファーがあったか覚えていますか?
1カ月ほど前、もしかするともう少し後だったかもしれませんが、その辺りです。「自分に興味を示してくれている」と伝えていただいてから交渉成立までは早かったと感じています。

――その頃から徳島ヴォルティスを調べられ始めたと思いますが、どれくらいの試合数をチェックされたり、どんな印象を抱かれたのか聞かせてください。
正確に「何試合観ました」とお答えするのは難しいのですが、かなり多くの試合を観たと思います。そして、試合中のシーンを切り出した映像も含め、できるだけ多く観ようと思って本当に多くの時間を費やしました。

――さすが、アナリスト!
(笑)。

――それらを観て、どんなクラブだと感じましたか?
第一印象は、非常に若くて野心的な選手が揃っていると感じました。テクニックも非常に優れていると感じました。そして、リカルド ロドリゲス監督、ダニエル ポヤトス監督が積み上げてきたものもすごく感じました。私は彼らが積み上げてきてくれたものに、自分の新しいエッセンスを加えるような形で若くて才能のある選手たちを成長させられるようなフットボールを展開したいと強く思っています。

――リカルド監督とダニエル監督の名前も挙げていただきましたが、彼らの方針と重なりそうな部分、逆に新たに加えていきたいと考えている部分の両側面を聞かせてください。
前提として、前任者たちがやってきたフットボールも、徳島ヴォルティスのクラブ哲学に基づいたものだったと思います。例えば「ゲームをコントロールすること」、「主導権を握ること」、「アグレッシブに戦ってファン・サポーターを魅了する魅力的なフットボールを目指すこと」など。
そこに私は「スペースへのさらなるアタック」、「縦への速さも少し」加えようと考えています。それらは、何かを変えるという意味ではなく、付け加えていくことによって進化をさせたいという風に感じています。

ベニャートラバイン
【ベニ監督を知る】

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