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【インタビュー】ジローナFCへ期限付き移籍 勝島 新之助選手「徳島の選手としてのプライドを持ち、徳島の選手としてビッグになりたい」

京都サンガF.C.(以下、サンガ)U-18から新加入決定と同時に、ジローナFC(スペイン2部)へ期限付き移籍が決まった勝島 新之助選手。来週にスペインへ旅立つ若武者に、今の心境をインタビューしました。

Q:宮崎キャンプから練習参加していましたが、徳島の雰囲気やスタイルには慣れましたか

「キャンプ中は練習メニューでロンドが多く、それしかやらない日もあり、とても驚きました。『ポゼッションにこだわるチーム』という印象でした。これまでロンドと言えば『ウォーミングアップで取り組むこと』という認識でしたが、パススピード、考える速さが求められ、とても大事であると感じました。キャンプの時からみんな優しくしてくれ、チームメイトとも仲良くなりました。同世代の玄選手やサンデー選手がいて、京都橘高出身の西野選手とは面識もあったので、すぐに馴染めました。」

Q:徳島加入の経緯は

「サンガのトップチームへ昇格することができませんでした。昨年の夏、昇格をかけて、サンガのトップチームの練習に参加しました。手ごたえがあり、昇格できると思っていましたが、昇格できないことになり、慢心的な余裕が一気になくなりました。自分を見せるプレーをしないと評価されないと感じ、良い経験になりました。徳島のキャンプでもその経験を生かせたと思います。そのうえで大学進学か、プロになるかの選択がある中で、プロにいきたい気持ちが大きかったです。徳島に声をかけてもらい、オファーをもらいました。」

Q:プロにこだわる理由は
「これまで年代別の代表に選ばれてきました。今後、FIFA U-20ワールドカップやオリンピックに出場したい気持ちが強くあり、大学よりプロの世界のほうが目に留まりやすいと考えました。」

Q:サッカーを始めたきっかけは
「小学1年生の時、学童に通っていて、3つ上くらいの先輩がサッカークラブに入っていました。その人たちに誘われた友達がサッカークラブに入り、僕も誘われました。また、2010年南アフリカワールドカップで、本田圭佑選手の活躍に魅了されました。僕は元々、利き足は右でしたが、本田選手やメッシ選手のプレーを真似して、利き足を左に変えました。小学生にはSAISON FCのスクールにも通っていましたが、友達からサンガのスクールのセレクションに誘われて合格し、気づけばU-15、U-18へ進んでいました。」

Q:サンガ時代の思い出は
「本当にいい仲間に出会えたと思います。ユースは全寮制なので、3年間を過ごせて、先輩や同級生、後輩、本当に家族みたいな時間を共に過ごせました。ただ、12年ぶりに僕たちの代はトップチームへ昇格ができなかったので、その歴史を途絶えさせてしまい、とても悔しいです。」

Q:徳島加入、ジローナへの期限付き移籍を果たしますが
「トップチームに上がれなかった時点で、海外に行きたいと思っていました。昨年の10月に1度、ジローナのU-23チームへ練習参加をしました。実際にプレーをして、日本とスペインではそんなに差を感じませんでした。ただ、文化が異なることなど、いろんなことを吸収できると感じました。」

Q:目指している選手像は
「特定の選手はいません。自分というスタイルを確立したいと思います。子どもの頃からメッシ選手やネイマール選手を見ていましたが、その選手になりたいわけではないです。ただ、今回の移籍で彼らに少し近づくことができるので、チャンピオンズリーグで対戦したい思いがあります。」

Q:スペイン語の勉強は
「昨年10月の練習参加を終え、毎日勉強していました。岡田強化本部長からも言われましたが、徳島の監督やコーチはスペイン人なので『駅前留学みたいだな』と言われました。とても勉強になっています。」

Q:鈴木 輪太朗 イブラヒーム選手との交流は
「世代別の代表でチームメイトになったこともありますし、僕がジローナに練習参加した時、オフの日に一緒に買い物に行ったりして、すごく仲がいいです。また、小学校から知っている同世代の中井卓大選手とも連絡を取り合っています。」

Q:海外移籍に不安は
「今はワクワクしています。お母さんが不安に思っているかもしれません(笑)。僕自身は、びっくりするくらいポジティブな性格なので、大丈夫です。」

Q:プレーの強みは
「ボールを受けて、前へ仕掛けて、シュートまでの形だと思います。」

Q:今後の目標は
「ジローナのトップチームでデビューして、レギュラーに定着することです。目標は、毎年チャンピオンズリーグで活躍できるような選手になりたいです。夢は日本代表でワールドカップに出場して得点を取ることです。そのために、自分自身、すべての能力が足りないです。自分の持ち味を常に出すための体力や柔軟性、サッカーIQ、戦術理解度、高校生の中では強かったフィジカルはスペインに行ったら足りないと思います。どの監督になっても起用される選手にならないといけないと思います。FWとしての動き方や適応力が求められると思います。」

Q:徳島のサポーターへメッセージを

「徳島のピッチでデビューすることなくスペインに行ってしまいますが、徳島の選手としてのプライドを持ち、徳島の選手としてビッグになりたいと思います。徳島で学んだことは本当にすごく大きかったですし、約3週間しかいなかったですが、本当に充実した毎日でした。」

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