【広島 4-1 東方】青山敏弘の言葉を信じよう
2024年12月5日、紛れもなく、青山敏弘がそこにいた。
その男はただ、ピッチに立っていただけではない。青山敏弘とは、こういう選手だと、その存在意義を証明するかのように、振る舞った。
プレー時間は84分。勝負に厳しいミヒャエル・スキッベ監督なら、出来が悪ければ45分での交代もありえた。しかし指揮官は、青山の疲労が顕著に見えた84分まで、背番号6をピッチに立たせ続けた。
「今日は、青山敏弘というレジェンドが主役だろう」
逆転ゴールを流し込んだゴンサロ・パシエンシアは、そう語った。もちろん、彼の心にある「リスペクト」の思いが、そう言わせたのだろう。だが、その「リスペクト」は引退という現実だけではない。彼が培った21年間を凝縮したような、素晴らしいプレーの数々に対する畏敬の念も、そこにはあった。
「悔しいのは、彼と過ごした時間があまりにも短すぎたことだ」
ゴンサロの言葉には、実感がこもっていた。これほどのMFと共にプレーできていたら、どれだけ得点がとれていただろうか。青山の「本当」を理解できていたら、ストライカーはこの日、もっと得点がとれていたはずだと、心から実感できていたはずだ。
青山のスイッチは10分、香港サッカー界が誇る17歳=ウー・ユーシーが素晴らしいゴールを決めた時間から、しっかりと入った。
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