【広島 0-2 神戸】熟成の神戸が見せた戦略に敗戦。もっともっと、成長しようという試練
キックオフから約1時間前、神戸のサポーターがまだ揃っていない時から既に紫のサポーターは集結していた。
そして彼らは、大きな音量で歌い始めた。
「君の瞳に恋してる」
満田誠のチャントだった。
そして「俺達の11番 満田誠を待っている」の横断幕が掲出された。
さらに。
「未来を守る為のジャッジ・サッカーを」
この横断幕も、横に掲出されていた。
これらの横断幕については事前にコールリーダーから説明があり、掲出前に集結していたサポーターに向けて見せられていた。さらに「誹謗中傷はやめよう」という呼びかけもあったと聞く。
記者が素晴らしいと思うのは、満田のチャントが選手たちが出てくる前に歌われたことだ。
試合中でも試合後でもなく、試合前。トレーニングのために選手たちが登場する前に、満田へのメッセージは歌われた。サポーターに取材できたわけではないので、真意はわからない。ただ、記者に伝わったのは、この日のピッチに立つ選手たちへのリスペクトだ。
満田への想いは想いとして、サポーターの間で共有する。たとえメディアにのらなくても、チーム関係者が気づかなくても、想いをしっかりと発露させる。一方で、選手たちが出てくれば、今、そこにいる彼らに全てを託す。ピッチに立つ選手たちを全力でサポートする。
そんな姿勢が、とても美しく感じた。
試合後、ミヒャエル・スキッベ監督は言った。
「サンフレッチェ広島というクラブにおけるチームとファン・サポーターの関係性が、すごく近い関係にある。その証明ともなったと思っています。今回、マコ(満田誠選手)のことに関して、ファン・サポーターが本当に気にかけてくれているのはすごく嬉しい」
だからこそ、勝ちたかった。
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