SIGMACLUBweb

【広島 2-1 神戸】ルヴァンカップグループステージ2位以上決定と、2人の勇気ある戦士

恐るべき、勇気だった。

果たして自分が彼らの立場だったら、あんな飛びこみ方ができるだろうか。

佐々木翔が相手の守護神の飛び出しを認識していたかどうか、それはわからない。だがゴール前というのは、激しくも厳しい場所だと佐々木はわかっている。

GKは絶対にゴールを許したくない。DFも弾き返したい。1つの白いボールに対して、屈強な身体、意地と意志がぶつかりあう。そこには時に大きな危険が伴うことも、選手たちはわかっている。実際、水本裕貴(現橫浜FCコーチ)はかつてゴール前での競り合いで、相手の肘が側頭部に当たり、頭蓋骨骨折・硬膜外出血の重傷を負い、生命の危機にさらされた。

それでも、佐々木翔は飛び込んだ。あえて一番前には立たず、ペナルティアークから一気にスピードアップして裏に飛び出し、フィジカルが強い大﨑玲央が追いすがっても振り切り、東俊希が蹴ったボールに向かって走った。

ヘディングシュート。当たった。その直後、GK坪井湧也が差し出した手に頭がぶつかり、そしてそのまま坪井の頭部に激突した。

ボールはネットの中に転がった。同点だ。

だが、佐々木と坪井は、倒れたまま。両チームの選手たちがすぐにドクターを呼び、周りを囲んだ。

(残り 1799文字/全文: 2304文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ