【広島 2-1 神戸】ルヴァンカップグループステージ2位以上決定と、2人の勇気ある戦士
恐るべき、勇気だった。
果たして自分が彼らの立場だったら、あんな飛びこみ方ができるだろうか。
佐々木翔が相手の守護神の飛び出しを認識していたかどうか、それはわからない。だがゴール前というのは、激しくも厳しい場所だと佐々木はわかっている。
GKは絶対にゴールを許したくない。DFも弾き返したい。1つの白いボールに対して、屈強な身体、意地と意志がぶつかりあう。そこには時に大きな危険が伴うことも、選手たちはわかっている。実際、水本裕貴(現橫浜FCコーチ)はかつてゴール前での競り合いで、相手の肘が側頭部に当たり、頭蓋骨骨折・硬膜外出血の重傷を負い、生命の危機にさらされた。
それでも、佐々木翔は飛び込んだ。あえて一番前には立たず、ペナルティアークから一気にスピードアップして裏に飛び出し、フィジカルが強い大﨑玲央が追いすがっても振り切り、東俊希が蹴ったボールに向かって走った。
ヘディングシュート。当たった。その直後、GK坪井湧也が差し出した手に頭がぶつかり、そしてそのまま坪井の頭部に激突した。
ボールはネットの中に転がった。同点だ。
だが、佐々木と坪井は、倒れたまま。両チームの選手たちがすぐにドクターを呼び、周りを囲んだ。
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