【広島 2-1 鹿島】広島の思想が生み出した最終盤の逆転劇
久しぶりに「何もできない広島」になっていた。
どんなに苦戦を強いられても必ず「自分たちの時間」をつくりだし、チャンスも生み出していた広島だったが、81分までその萌芽もほとんどない。49分、川村拓夢の前プレスによって相手のパスを予測した東俊希が高い位置でカット、ナッシム・ベン・カリファとのパス交換から見事なボールコントロールでシュートに持ち込んだ。決定機といえば、このシーンくらいだった。
一方で、鹿島にもまた目立った決定機は与えてはいない。 41分、佐々木翔のクリアが知念慶に当たってゴールに吸い込まれそうなシーンを大迫敬介の素晴らしいクリアによって守れたが、流れの中で危なかったのは、これくらいか。固い試合と言えば固かった。
ただ、面白くなかったわけではない。
お互いに球際が激しく、身体のきしみ合う音が聞こえてくるような肉弾戦は、壮絶という言葉がピタリとはまる。かといって、ラフな感覚もない。福島主審がしっかりと試合をコントロールしていることもあり、J屈指の「強度対強度」の対決に集中できた。
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