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【サンフレッチェ広島レジーナ】マイナビ仙台戦に向けて/大いなる反省と、主導権を握るサッカーへの道程

もっと「靴1足分の寄せ」を


サッカーのことを「チェスや将棋のような知的ゲーム」と表現する向きがある。それぞれのコマに役割があり、相手との駆け引きの中で知恵を絞り、コマを有効に使いながら勝利を目指す。

確かにサッカーにはそういう部分はある。シンプルなルールではあるが、だからこそ「戦術」という要素が大きくなり、複雑な味わいが増す。

だが、サッカーがチェスや将棋と違うのは、盤上のゲームではコマは常に100%の力を発揮するが、サッカーは違うということ。相手と自分たちと、コマの力に差があり、戦力差は常に存在する。ポジションは同じでも、選手によってやれることとやれないことがある。さらに決定的なのは、サッカーの選手は、その日によってコンディションに差があり、やるべきことをやれなかったり、できないと思っていたことができるようになっていたりする、ということだ。

日テレ・東京ベレーザとの試合で、サンフレッチェ広島レジーナは実に素晴らしい「球際の闘い」を魅せてくれた。シュートコースに身体を投げ出し、シューターに裏をとられても諦めずに靴音を響かせ、食らいつき、そして食らいつき。WEリーグ最高のストライカーといっていい植木理子に対して、何度も何度もやられそうになったが、その度に選手たちは彼女に対して必死に身体を寄せた。それがあったからこそ、木稲瑠那のスーパーセーブも生まれたのだ。

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