「人生をかけたプレッシング」を見せつける満田誠の回復を信じる
広島がこれ以上、上にいけるかどうか。
それは満田誠にかかっていると筆者は思う。
森島司は得点がとれるようになった。エゼキエウは稀にみるアタッカーであることを証明しつつある。ドウグラス・ヴィエイラとナッシム・ベン・カリファはチームのために闘えるし、川村拓夢の巨大な才能がついに花開きそうだ。
だが、ミヒャエル・スキッベ監督のサッカーを誰がもっとも体現しているか。誰がそのダイナミズムを表現しているかを考えた時に、一人の若者しか思いつかない。
それが、満田誠だ。
「ボールに対して守備をする」
それが、スキッベ監督が掲げたコンセプトだ。数的優位をつくり、チャレンジ&カバーの関係性をつくり、ディレイして時間をつくって相手のプレーを遅らせる。そんな守備戦術もいいんだけども、それよりもまず、自分がボールに向かって走り、1対1で相手を潰してしまえば、それでいいじゃないか。それが、スキッベ監督の主張だと言っていい。
何度も書いていることだが、彼にとって守備の目的は「ゴールを守る」ではなく「ボールを奪って得点をとる」ことにある。だからこそ、前から守備を仕掛ける。FWやアタッカーにとってみれば、守備は義務と捉えられてしまいがちだが、攻撃の第一歩と考えれば身体は動く。この解釈ができるかどうか、それが「戦術理解」の差になってくる。
満田は、キャンプの時からこのコンセプトを完全に理解していた。いやそれは、城福浩監督時代の2021年、学生だった彼が広島のキャンプに参加した時から感じていたことだ。
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