【広島 1-1 湘南】青山敏弘J1通算出場クラブ新記録を達成した、湘南戦の物語。
湘南戦は、青山敏弘のためにあったはずだった。
J1通算431試合出場。青山が今も「憧れの存在。できることなら一緒にプレーしたい」と語る森﨑和幸の記録を破ったのだ。ランキングとしては史上16位。だが、たった1つのクラブで出場し続けての順位としては、曽ヶ端準(533試合)・山田暢久(501試合)・中村憲剛(471試合)に次いで第4位(小笠原満男はJでは鹿島だけだが、海外に移籍しているので除いた)。前十字靱帯を切って約1年の離脱を経験したり、膝半月板の2度にわたる手術、膝軟骨を傷めて半年以上の離脱と、これほどの苦闘を重ねた彼の偉業は、どれほど称えても称えたりない。
だが、青山はその称賛を拒絶した。
「悔しい。本当に悔しい。このチームで勝ちたかった。おめでとうではないですね、今日の試合は」
ミックスゾーンで言葉を繋げた彼の表情には、笑顔はまるでなかった。
「我慢が足りなかった。前半をしのいで、後半にギアをあげようとしていたのに、先に失点してはならなかった」
青山は責任を感じていた。
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