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【広島 0-3 横浜FM】挑戦を続けたチームと、応援している人々の矜持と力

勝てた。

時間をおいて考えるほどに、そう思えた。

悔しさが身体中を支配し、吐きそうになった。

ただ、その悔しさはきっと、精一杯闘ったチームを勝たせてあげられなかったことに対する自分への刃だった。

筆者は、一般的な意味でのジャーナリストとは言い難い。立場も想いも公平ではなく、サンフレッチェ広島というチームと彼らを応援してくれる人々に、その軸足を置いている。どんな状況であっても、たとえ相手がレアル・マドリードやリバプール、マンチェスターシティであったとしても、サンフレッチェ広島に勝ってほしい。その立場と想いは、おそらく自分が消えてなくなるまで、変わらない。

だからこそ、時に無力になる。

スタジアムで、筆者は何もできない。せめて、応援してくれる人々に対して、想いとチームのことを伝えるのが精一杯。自分の仕事でチームを勝たせることは、少なくとも試合中はできない。

筆者は、サポーター(あえて、この言葉を使います)に力を感じている。

記者になる前も自分はチームを応援していたが、あの時はスタジアムで声を出して選手を鼓舞することはできなかった。自分の中で一歩、踏み出す勇気がなかった。もちろん、じっくりと観戦するスタイルは、それはそれで楽しかったし、知己もできた。その時に過ごした時間は今にも繋がっているし、そういうスタイルを否定するつもりもない。それはそれで、1つのあり方だし、楽しみ方だと思う。

だが、今振り返れば、違う道もあったと想う。

そう考えた最大のきっかけは2003年、アウェイでの新潟戦だった。これは、何度か書いている話であるが、あえてこのタイミングで、書きたい。

(残り 3788文字/全文: 4465文字)

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