【広島 2-2 磐田】ミヒャエル・スキッベを信じて、前に進む男たち
ヤマハスタジアムは独特の構造である。アウエイチームのすぐうしろに記者席が設置されていて、監督やコーチたちの叫び声がリアルに聞こえてくるのだ。
間近で感じたミヒャエル・スキッベ監督の姿は、エディオンスタジアム広島や吉田サッカー公園で見る落ち着いて冷静な雰囲気「だけ」ではなかった。例えば選手がファウルで倒された時、大きなアクションで抗議の声を張り上げ、闘う意志を表明する。納得のいかない判定に対してげんなりとした表情を見せ、それでも手を叩いてチームを鼓舞する。熱くなった選手に対してはクールになるように声をかける。
ベンチで、彼は選手たちと共に、間違いなく闘っている。その様子を、ヤマハスタジアムで目の当たりにした時、選手たちが指揮官を中心にまとまっているのは、こういうことなのかと実感した。
人間は、感情が論理よりも優先する。どんなに素晴らしい言葉をかけたとしても、言葉をかける人次第によって、うなづきも反発もする。特にスポーツチームの監督はそうだ。かつてボルシア・メンヒェングラートバッハや1.FCケルンで指揮をとり、ブンデスリーガで4回の優勝を成し遂げた名将=ヘネス・ヴァイスバイラーは、「何を指導するかよりも誰が指導するかだ」という名言を残した。ヴァイスバイラーのトレーニングを見学した指導者が「当たり前の練習ばかりだ」と言った時に、彼が言い放った言葉だという。
ミヒャエル・スキッベの姿をこの2ヶ月、ずっと見ていて感じたのは、このヴァイスバイラーの名言だ。
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