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【サンフレッチェ広島レジーナ 2-0 ノジマステラ神奈川相模原】青山敏弘を感じさせた小川愛と柳瀬楓菜の「AI-FUNA SYSTEM」

故事成語に「男子3日会わざるは刮目してみよ」がある。これは本来、「男子」というよりは「士」であり、志をもった人という意味で捉えた方が正確だ。

これは、古代中国の名作「三国志演義」の中に出てくるエピソードから生まれた言葉である。勇猛な武将・呂蒙は無学でも知られたいたのだが、それを心配した呉王・孫権が彼に学問の大切さを説き、奨励。読むべき書物まで彼に教えたという。王の配慮に決意を新たにした呂蒙は必死で勉学に励み、やがて他の誰もが太刀打ちできないほどの教養を身に付けた。その事実を称賛した人に対して呂蒙が言った言葉は、こう記録されている。

「士別れて三日、即ち更に刮目して相待すべし」

志を持つ人であれば、3日もあれば大きく成長するもの。その時は、目をしっかりとこすって対応するべきだ。

称賛を受けた呂蒙の見事な返しと言っていい。

その意味を考えても、「男子」という性別を表す言葉で「士」を置き換えるのはこの場合、間違いだと指摘しておきたい。志を持っている人というのは、性別など関係ないからだ。

その事実を、レジーナたちが示した。それが本当に嬉しい。

後期が始まってから4連敗。1点もとれない不甲斐なさを厳しく指摘するファミリーの声も選手たちには届いていた。浦和戦の試合後、近賀ゆかりは厳しい言葉で選手たちに「成長のための努力」の必要性を説いた。

その後、彼女たちを見たのは先週土曜日のレノファ山口U-14とのトレーニングマッチ。この試合の 1本目は、まさにこの日の先発と同じ組合せだった。だが、チャンスはつくっていたとはいえ、一方で中学生たちの活発さとスピードに圧される部分もあり、「変わった」と見ることができなかった。

まだまだ、時間はかかるか。

そう感じて、ちょっと落胆して、帰路についたことを記憶している。

だが、そこから1週間後、彼女たちの姿は変わっていた。まさに「刮目して見よ」だ。

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