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【サンフレッチェ広島レジーナvsジェフユナイテッド市原・千葉レディース】中村伸監督・木﨑あおい・中嶋淑乃・小川愛コメント(無料)

■中村伸監督/スタートから自分たちでスイッチを入れる。

……厳しい試合結果が続いています。

中村●はい。前節(日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦)は前半、攻守両面で少し身構えてしまったが、それでも後半はあれだけの反発力を見せられるチームなんです。チャンスもたくさんつくった後半のゲーム展開を見ると、これだけやれるのになんで、スタートからスイッチが入らないのか。そういう思いがすごく印象に残ったゲームだったから、「申し訳ないが整理つかない試合や。ただ悔しくて仕方がない」っていう話を試合後、選手たちにはしたんです。

……はい。

中村●冷静にゲームを振り返ると、第3節にアウェイでベレーザと戦った時と比べると、確実にやれることは増えていると思います。トライする形もそうだし、ゴールに向かう形もチャンスも、数多くあった。守備も自分たちから意図を持った、全員が繋がった対応もあった。ピンチもありましたが、しっかりと足は動いているし、頭を働かしているし、みんなで繋がった形はやれている。そういうプレーを、試合のスタートからやれるような日常にしていかないといけない。自分たちがピッチに立ってやるわけだから、自分たちでそういうスイッチを入れてやる関係性というか、力をつけていかないといけない。そういう話をさせてもらいました。

……キックオフ直後は、悪くなかった。ビッグチャンスもつくりましたね。ただ、そこからトーンダウンしてしまった。

中村●はい。(相手の力を考えると)ボールを握られ、なかなかボールを奪えない状況がいつもより多くなるかなというのは想定して試合に入りました。実際、いつもやったらここで奪いたいというところを外されたりするシーンが何回か続いて、みんなに「どうしようか、これでいいのかな」っていう想いが働いたみたいなんです。

……確かに、そう見えました。

中村●そういうところをうまく凌ぎながら、試合を進めていける力が必要ですよね。そして、サッカーの本質であるゴールを奪うところ、ゴールを守るところ、ピンチとチャンスを察する力を、もっともっと磨いていかないといけない。チャンスなら出ていくし、ゴールに飛び込む。危ないなと思ったら、誰よりも早くゴールに向かって戻らないといけない。身体を張らないといけない。そういう最後の際のところはベレーザの方が上手やった。

最初のビックチャンスの時、相手のサイドバック(清水梨紗選手)が我々の動きを上回る危機察知力と動きでピンチを防いでいる。一方、我々は1失点目、切替えが一瞬遅くなって戻れずに失点してしまった。ここのところは、我々として質を上げていかないといけないと、改めて気づかせてもらったゲームやった。まあ、簡単に上げていけるところでもないけど、目標を見据えて、トレーニングに入っています。コツコツと、自分たちの力にしていきたい。

……言葉は悪いですが、サッカーは戦い。殴り合い上等というか、強気な姿勢が必要ですよね。

中村●はい。ピッチに選手を送り出す時には、そういう(闘いへの)想いや責任感が大事だよって言っています。その部分で相手に上回られると、簡単なゲームにならない。ただ、送り出す側ももう少しそこの大切さを伝えて、気づかせてあげないといけない。ピッチに立つ選手に責任感というか想いをもっともっと強いものを持って立たせてあげたい。そう感じさせた2試合でした。

サンフレッチェ広島レジーナは、チームとしての熟成度もまだまだこれからのチーム。とにかくピッチに立った選手は最低限同じ温度で、同じ想いでピッチに立って戦わないといけない。サッカーなので、ミスのあるスポーツ。みんなでミスをかばい合いますが、1つのミスの持つ意味は、経験のあるチームとは違う。1つでもミスを減らす想いや繋がりを持ってピッチに立たないといけないし、立たせないといけないと思います。

……自信の重要性、ですね。

中村●本当に、どうやって自信を持たせるかは大切。反発心をもっと煽ってあげて、引き上げるようなことも必要な選手もいますし、違う形がいい選手もいる。そのあたりをどうやって引き出してあげられるか。そこはまあずっと、やっていかないといけないところ。どうやって自信を持たせるかという想いばかりですね(苦笑)。

……今の広島は、リーグで1番失点数が多いチームです。

中村●そうですね。攻撃に対して重心を置き、意識付けをずっとやってきたから、ということは当然、あります。ただ、攻撃も守備もつながりを持ってやるところは変わらない。その繋げる意識をもっともっと強く持たせたい。攻撃の形を表現するためには、相手からボールを奪わないと行けない。そして、失点しない展開の中で試合を進めることは、絶対条件になってくる。守備でも1つの方法だけではなく、いい駆け引きをしたらもっと相手は困るし、自分たちが意図した形をもって守備する選択肢を増やせるわけです。そこを今年、一つずつ、やっている状態です。

……はい。

中村●今まではこの形でやれていたけど、今はこれがいいかなっていう方法も入って来ている。当然、迷いや躊躇する部分はあると思うけど、やれることが増えていくとそこは通らないといけない道。受け入れて、整理させながら進めてやっていっている状況です。もちろん、できれば1本でもシュートを打たさせない状況をつくりたい。失点しない守備もしていかないといけない。一歩、二歩と、前に進むために、今はみんなで我慢しながらやっていく。そのために、いろいろと本気で話をしながら、詰めてやっていくべき時期かなと思って、ブレずにやっていこうと思っています。

……練習でも、引き出しの重要性を説かれていましたね。

中村●実際、相手があってのサッカーですからね。相手の陣地でサッカーをする時間もつくっていかないといけないけれど、そこで守ってくる相手に対してどうするか。次の千葉戦も見据えた上で、「こういう考え方もあるよ」っていうのは気づいた方がいいと思って、トライしてもらっています。いろいろと気づいてくれたし、いろいろ話をしてくれていた。すぐできるわけではないが、一つずつ(駆け引きの引き出しを)増やしていく作業をしていきたい。

……結果が出ないと、たとえばフォーメーションだったり、やり方だったりを変えたくなるものですが、今は続けて行くことを選択したいということですね。

中村●はい、そうですね。この1年、こういうサッカーをしていこうと発信してきた。それは、選手の特長を最大限活かした形は何かなって探りながら進めてきた部分もありますし、その上で「こういうサッカーをレジーナとしてやっていこう」というところですからね。それに選手が必死になってついてきてくれている部分もあるし、まだまだ完成していない。質を含めて、煮詰めてやっていく部分を増やしながら、高めていきながら、一つずつやれることが増えていけば。結果だけを見ると、もう少し(違うことに対して)工夫したりも当然あるが、今はここまでやってきたことを選手たちも自信もってもらいたい。またこの先のことを考えて、積み上げてやっていける形にもっていきたいです。

 

■木﨑あおい選手/もっと戦う集団に。

……前節の対日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦について、試合が終わった後にどんな想いになりましたか。

木﨑●もちろん、まずは悔しさ。結果以上の力の差を感じました。ちょっとしたところなんですが、切替えの早さだったり、球際の強さや味方が関わる意識、そういう部分の差を感じました。

……アウェイで彼女たちと戦った試合よりも、内容は向上しているとは思いますが。

木﨑●見る人によってはそう捉えてくれる人もいますが、やはりそれ以上のことを求められていますし、やらなきゃいけないと自覚しているので、まだ全然足りていないって思います。

……2失点目については、どういう見方を?

木﨑●前向きで14番(北村菜々美)にフリーで運ばれてしまっている。誰がそこでプレッシャーに行くのかっていう部分と、その後の集結の部分ですね。それができていれば、あんなに綺麗に崩されることは絶対になかったかなと思います。その前のシーンでもピンチは何回もありましたし、それを試合中に修正できないところが1番の課題かなと思います。

……もっと一工夫が必要だった。

木﨑●味方との距離が遠いとか、みんなが気づいたことを試合中に発言しなくてはいけなかった。後から話して「あの子はこう思っていたんだ」とか、そういう形で気づくのではなくて、試合中に声を掛けて気づかせてあげたり。そんな指示の声がもっとないといけない。

……リーグ戦は続きます。修正して改善していかないといけない。まずやれることは。

木﨑●応援してくださっている方に対して、しっかりと戦うプレーをお見せしないといけない。その上で、自分たちがサッカーを楽しむっていうことを忘れているなって最近感じています。楽しさを忘れずにやりたいなって思っています。

……あとは、シンプルに戦うところですね。

木﨑●はい、そこはすごく感じました。甘さを見せると、そこを相手はついてきます。もっと戦う集団に自分たちがなっていかないと、優勝を目指せるチームにはなれない。もっともっと貪欲さ、球際激しく行く部分を見せていきたいと言うか、見せるべきだなと思います。

……広島は、シュートをリーグで1番打たれています。

木﨑●それはDFの責任だなって思っています。最後に身体を張る部分は私自身、全然できていない。他にもやれていないことだらけなので、もっと練習から厳しくやっていきたい。

……カウンターをくらっていますし、攻撃をやりきることが大事ですね。

木﨑●やりきる部分も大事ですし、その後の切替えの部分もそう。みんなが一瞬、止まってしまっているというか……、もっと自分の意志で動く意識を一人一人が求めていけば、ああいうことにはならないかなと思います。

……月曜日には千葉戦です。相手も連敗中ですね。

木﨑●はい。勝ちたいのは、相手も同じ気持ちだと思うので、まずは戦う部分をしっかりやりきること。そして、自分たちのサッカーをいかに表現できるかという部分も大事になってくる。そこの2つを意識しながら、得点を奪うことを意識してやりたい。

……シュートを狙いますか。

木﨑●狙っていきたいです。

……そのためには木﨑さんがもっと高い位置にいないといけない。

木﨑●そうですね。後期の私は全く前にいけていない。相手のペナルティーエリア内に侵入できている回数が圧倒的に少ないので、守備のことも考えつつ、攻撃にも絡んでいきたい。

 

■中嶋淑乃選手/もっとゴールに近いところで。

……日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦では、バーに当たったシュートがありました。惜しかったですね。

中嶋●はい(苦笑)。苦手なヘディングだったので、もう少し練習します(笑)。

……広島でヘディングが強い人って??

中嶋●(上野)真実さんとか(大内)梨央さんとかは、上手いと思います。

……見習いたいですね。

中嶋●はい。見習います(笑)。

……再開してから厳しい試合が続いています。

中嶋●目の前の人に球際で負けないとかを、もっとみんなが意識したい。あと、最後のシュートのところが、まだまだ。そこが1番の要因だと思います。

……ベレーザとの差を感じましたか?   

中嶋●西が丘でやった時みたいに「全くなにもできない」ことはなかった。でも、個人的には前回よりもあまり仕掛けられなかった。私個人は、何もできなかったので、悔しいです。

……チームとして失点が多いでよね。

中嶋●ゴール前で身体を張るところもそうですが、ボールの取りどころをもっと明確にして、チームで行くところと行かないところと合わせることが大事だなと思います。

……個人的には、中嶋さんがもっと中に入って、シュートを打ってもいいと思いますが。

中嶋●そうですね。私もゴールに近い方が持ち味は出せると思ので、もう少し中に入ったり、ゴールに近いところでプレーしたいと思います。

……シュート、自信あるでしょう。

中嶋●うーん、どうなんでしょう(笑)。まあ、はい、自信はあります。

……次の千葉戦に向けて。

中嶋●とにかく目の前の相手に負けないこと。どんどん仕掛けて自分のいいプレー、自分の長所を出して、得点に繋げるシーンを増やしていきたいです。

 

小川愛選手/ゴールに直結するプレーを。

……前節の日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦を振り返ってください。

小川●チームでボールを収めるところがつくれていなかったり、相手に押し込まれるシーンが多かったので、途中から入ってボールを落ち着かせるようなプレーができたらいいなと思って試合には入りました。でも自分自身が何回かボールを失ってしまうシーンがあった。あの時間帯で入ったんですが、もう少し何かできたかなと思います。

……スルーパスを出して近賀ゆかり選手の決定的シュートを演出したシーンはよかったです。

小川●ああいうゴールに繋がるプレーをもっともっとしていきたいです。

……今、ベンチスタートが続いていますが、課題としては?

小川●ボールを受けて前を向くプレーを増やしたいと思っている部分と、ボールを失う回数をもう少し減らしたい。守備の部分でも、ボールに予測して行くところや奪い切るところを突き詰めてやっていかないといけない。

……データを見ると、広島は1番失点しています。

小川●なかなか意図的に自分たちが追い込めていなかったり、マークを外されてしまったり。最後のところでボールに寄せ切れていないところがあるので、2列目がもう少しコンパクトになって、全体でスイッチを入れながらできるようにしていかないといけない。

……小川選手のところでボールがとれるといいですね。

小川●そうですね。それができれば、やはり全体が前に掛けられるので。

……千葉戦にむけて。

小川●相手はボールには強く来るので、そこを外しながら自分のよさであるシュートや遠目から狙ったり、ゴールできるようなスルーパスを出したり、そういうプレーをたくさんできればいいかなと思います。

……ミドルシュート、みたいですね。

小川●はい。もう少し狙っていきます(笑)。

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