エゼキエウ/成長を続けるブラジリアン・アタッカー
デビューした時にいきなり衝撃を与えたわけではない。確かに速かったが、たとえば川崎Fとの練習試合で初めてフッキを見た時の衝撃とは、比較にはならない。昨年の対横浜FM戦でジュニオール・サントスを見た時、一昨年のトレーニングでレアンドロ・ペレイラを見た時、明白に「これは日本人とは違う」と唸った、それほどのショックは、当初のエゼキエウにはなかった。
エゼキエウは明白に、日本のサッカーに戸惑っていた。スペースもなく、時間もない。厳しい守備を仕掛けてくる相手に、何もできない。チームとして「いい守備からいい攻撃」を掲げている以上、守備のタスクはやらねばならないのだが、そういう習慣もない。かつて城福浩監督は「守備のタスクを軽減させても、攻撃の良さを発揮させた方がいい選手もいる」と発言したことがあって、守備の穴を圧倒的な攻撃力で上回ることができる存在には戦術面で考慮することも匂わせたこともあったが、エゼキエウはそれほどの選手と認められるには、至らなかった。
コロナ禍で家族に会えず、メンタル的に辛い状況に陥ったこともある。だが、厳しい言い方をあえてすれば、それはエゼキエウだけの問題ではない。結局、答えを出すのはピッチの上のみ。そして彼は、それがほとんどできないまま、1年目のシーズンを終えた。
2年目、エゼキエウは必死に戦った。慣れない守備も戦えるようになり、「球際が強い」と指揮官に評価されるレベルになった。ドリブル一辺倒だったプレーも、球離れがよくなり、周りを使えるようにもなった。
彼は非常に真面目である。戸惑いながらも、迷いながらも、日本で成功したいという気持ちは、捨てられなかった。成長は、想いの証。想いなくして、前には住まない。
(残り 1333文字/全文: 2047文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
タグマ!アカウントでログイン
- « 次の記事
- 青山・ザ・グレート/広島3-0柏
- 前の記事 »
- 森島司、チームトレーニングに部分合流。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ