エゼキエウとその仲間たち、見事な逆転勝利/広島4-1大分
嗚呼……。
溜息が、スタジアムを支配した。
またか。またなのか。
開始早々、森島司のスルーパスを受けた東俊希からのパスをエゼキエウがフリーでシュート。しかし、ダイレクトではなく2タッチで打ったが故に香川勇気のブロックを許してしまう。ここが、最初の溜息。
7分、そのエゼキエウがPA内で下田北斗を倒してしまってのPK。野村直輝に決められてしまい、広島は2試合連続で先制点を与えてしまった。
そして、溜息だ。
今季の広島には、トラウマがある。下位に沈んでいるチームにホームで負けてしまうこと。横浜FC、福岡、徳島、湘南。いずれも苦しんでいるチームを助けるが如く先制ゴールを献上し、跳ねかえすことができないまま、敗れてしまった。
大分戦もそうなのか。
ただ、エゼキエウがPKを与えたこと、そのものは責めたくなかった。たしかに、無理をする必要はになかった。だが、彼は彼なりに必死で、得意ではない守備に関わり、チャレンジした結果だ。巧拙はあるにしても、何もしないよりは遙かにマシである。そして、ここで失敗するからこそ、次が見えてくる。
そう信じたいと思っていた。
ただ、エゼキエウは川崎F戦でもチーム全体が好リズムの中、1人ミスを繰り返していた選手である。そしてこの日も、せっかくいい位置にいるのに、いいチャレンジはしているのに、結果がことごとく裏目だ。
もっていないのか。
23歳の若者、いつ苦しみから抜け出せるのか。
だが、たった一つのプレーが、ブラジルからやってきた若者を解放する。
(残り 2695文字/全文: 3321文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ