10番・近賀ゆかり/サンフレッチェ広島レジーナ2-2三菱重工浦和レッズレディース
背番号10はかつて、王様ペレによって特別な意味が与えられた。その後はジーコやミッシェル・プラティニ、ロベルト・バッジオやディエゴ・マラドーナらの活躍が、サッカーにおけるスペシャルな伝統を10番に附加してきた。
近賀ゆかりは、もともとはサイドバックであり、レジーナではアンカーでプレー。ポジションはどちらかといえば守備的であり、10番的ではないのかもしれない。しかし、10番が「ゲームの流れを変える主人公」という意味を持っているとするならば、29日の対浦和戦での彼女は、まさに10番だった。
63分、小川愛にかわって投入される近賀に対して中村伸監督は、こんな言葉をかけたという。
「みんな疲れてきた。アプローチやセカンドボールのところも主導権を握れなくなっている。雰囲気を変えてきてくれ」
近賀はまず選手たちに声をかけ、手を叩き、周りを鼓舞した。「キンさんの声でチームが引き締まったことは大きかった」と最終ラインの中心・中村楓は言う。
10番というよりも、キャプテン。
そうかもしれない。でも、彼女の背中にある数字は、そのままサンフレッチェ広島レジーナを背負っているかのように、見えた。苦境にあえぐ仲間たちに力を与える女神の番号に見えた。
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