【広島3-3FC東京】気持ちには引力がある
サンフレッチェ広島ユースの試合に行くと、必ず張り出される横断幕がある。
「気持ちには引力がある」
かつて広島ユース黄金時代を確立し、数々のタイトルを広島にもたらした森山佳郎元広島ユース監督(現U-16日本代表監督)の名言である。広島ユース出身の選手たちはその言葉をトレーニングからずっと叩き込まれ、そして信じてきた。信じるに値するだけの実績をあげてきたからだ。
荒木隼人はFC東京戦前、SIGMACLUB9月号での「広島ユース特集」を読んでいた。その巻頭コラムの中にあった森山佳郎監督の「気持ちには引力がある」という言葉に、荒木は引きつけられたという。しかもインタビューは川辺駿だったことも、荒木の心には響いていたはずだ。
「あの記事を読んでいたから、なおさらあのハヤオくんのゴールが嬉しかった。やってくれたって強く思いましたね。さすがでした。あの試合は、後半も内容は悪くない。だからこそ、最後に気持ちのところで力が発揮されたのでは。今、広島ユース出身選手が増えているし、気持ちのところはユースの良さ。そこをもっともっと、発揮していきたい」
よく勘違いする人も多いが、「気持ちに引力がある」の前提には、そこまで積み重ねてきた「技術」「体力」「身体の強さ」「戦術」があくまでベースにあるということ。そこまでの積み重ねがあって初めて、気持ちの強さで勝負できる。逆にいえば「絶対に負けたくない」「もっと上にいきたい」「活躍したい」「成功したい」という気持ちが強くなければ、厳しいトレーニングや評価眼によってセグメントされる現実に耐えられるはずはない。
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