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【2020紫熊の戦士】茶島雄介/右サイドから得点を演出する知性

川辺駿のクイックリスタート、永井龍のワンタッチパス、そしてエゼキエウの突破からの左クロス。ニアに東俊希が飛びこんできた。

決定的なチャンス。が、東にクロスがわずかにあわない。

ダメか。しかし、次の瞬間、ボールはネットを揺らした。右ワイドでプレーしていた茶島雄介がゴールを決めたのだ。

逆サイドがボールを持った時にウイングバックがゴール前に走り込んでシュートを狙う。広島伝統の3バックシステムであれば、当然の戦術ではある。しかし、それを実践できるかどうか、そこにいることができるかどうか。タイミングも含め、センスの問題である。いくらサッカーのタクティクスがチェスに似ているとはいえ、コマが置ける場所が決まっているチェスとポジションどりが自由なサッカーとは、わけが違う。どんなに細かく戦術をたたきこんだところで、最後の最後は個人のセンスだ。そして茶島雄介には、それがある。

「クレバーだし、自分の特長とチームのやるべきことを落とし込む、そのバランスがいい。何よりもハードワークできるので、いるべき場所にいることができる」

広島で茶島がプレーしていたのは2014〜2017シーズン。つまり、城福監督は彼のプレーを間近で見ていない。だからこそ、先入観を持たずに評価することができる。その指揮官の評価の高さは、茶島自身の力が広島でのレギュラー争いを行うに値するものであることの証明だ。

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