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【紫熊戦士たちの物語】エミル・サロモンソン/復帰近し。だからこそ、焦らない。

 髪の毛をバッサリと切り、うなじがしっかりと見えるほどに刈り上げた。

 「似合っているね」

 「いやー、ありがとう。実は評判がいいんだ。長髪にも飽きていたし、こっちの方が戦う男って感じだろ?」

 エミル・サロモンソンは碧い目を細めて、笑った。

 5月26日、対浦和戦前半に足の付け根に違和感を感じての交代。コンディションの悪化はチームとも共有していたし、酷くならないための早目の交代だったのだが、予想以上に長引いてしまった。当初は中断明けの湘南戦での復帰を目指していたが、「違和感」は本人にしかわからないもの。万全でない状態で、日本の暑さと湿気の中でプレーすることに対し、本人もスタッフも慎重になることは当然だ。

 エミルが不在の間、右サイドは清水航平やハイネルが支えた。特にハイネルは、守備面では不安をぬぐえないものの、攻撃面では圧巻のプレーを展開。エミルと交代した浦和戦以降の6試合で2得点2アシストを記録し、チームを牽引している。

 彼の活躍が、刺激になっているのか。それとも焦りにつながっているのか。

 エミルは笑って答えた。

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