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【2019紫熊の戦士】佐々木翔/真摯な29歳、代表でも開花を。

 

言うまでもなく、佐々木翔は広島にとって大切な戦士の一人である。

もちろん、広島のエンブレムをつけたシャツをに着ている選手で、大切ではない存在はいない。今はチャンスを得ていない高橋壮也も川井歩も、必死で努力を続けている姿を筆者は知っている。大切な、大切な紫熊の戦士である。その文脈で、常に言葉を紡いでいるつもりだ。

佐々木の戦術的な重要性は、例えば彼が持つスピードである。彼はかつて「僕はそんなに速い選手ではない」と言ったことがあるが、それは謙遜にしか聞こえない。たとえば松本山雅の前田大然のような選手に千切られることはないし、スピードで圧倒されたシーンも見かけない。もし彼が言うように「速くない」のであれば、それは切替の速さや判断、決断のスビードが速いということにつながる。現役時代の片野坂知宏(現大分監督)がまさに、そういうタイプだ。

そもそも彼が「速くない」はずもない。180センチに届かない高さなのに、ハイボールの競り合いにはめっぽう強い。タイトなマークで相手に自由を与えず、簡単に飛ばせないという上手さもある。しかし、そもそも高さ・強さを持つ屈強なFWと戦うためには、彼自身が「高さ」を確保しないといけない。つまりは、バネがあるということだ。バネを持っている選手は当然、速い。

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