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【日本代表】広島時代とは大きく変わった森保一の戦い方

「どうして、3バックではなく4バックを採用したのか」という記者の質問に、日本代表の森保一監督は「柔軟な戦い方を求めた」と応えた。

それはそれで、本当のことであろう。森保監督だけでなく、どんな監督であって記者会見では嘘をつくことはない。ただ、本質を言うかどうかは裁量の問題だ。本当のことと本質的なことは違う。

アジア大会の時、指揮官は広島で採用したフォーメーションで戦った。その経験を踏んだ上で、フォーメーションを変えた。この意味は大きい。この判断について筆者は「ベースを変えた」と考える。今まで森保監督が成功を掴んだ形ではなく新しい形を、というよりも広島でやろうとして結果としてできなかったコンセプトを代表で採用する決意を、アジア大会を経て改めて固めた。そういう意味では、森保一という監督にとっても大きな分水嶺となったゲームが、昨日のコスタリカ戦だったと言える。

コーチにとって、フォーメーションは後付けである。そうであらねばならない。今まで取材してきた監督の中で、フォーメーションありきでチームをつくった例はない。「こういうサッカーで戦いたいという方針(コンセプト)があって、そこを成し遂げるために基本的なスタートポジションを決めていく。それがフォーメーションだ。

広島時代、森保監督がどうやってタイトルをとってきたか。それはもちろんボールを握るサッカーである。では、どの位置で握るのか。バルセロナやマンチェスターシティのような高い位置ではなく、自陣深い場所である。なぜか。

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