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【2018年紫熊の勇士】林卓人/鍛錬と余裕

 

林卓人の個性を知っている人であれば、驚きの光景が広がった。「え、どうしたの?」と思わず言葉に出してしまったほどの。

1月11日、広島史上初の新ユニフォーム発表記者会見がエディオン蔦屋家電で行われ、たくさんのサポーターが見守る中で川辺駿・佐々木翔、そして林卓人の3人が新しいユニフォームを身にまとって登場した。その時のインタビューでの出来事だ。

MCを務めた貢藤十六氏〈スタジアムDJ)が「サポーターへのメッセージ」という質問を各選手にぶつけた。まあ、定番の質問であり、これが出れば締めくくりという感覚に、聞く方も応える方にもある。ところが、ここで林はこう返した。

「いや、これから生放送があるんで、割愛させてもらいます」

えっ。

一応、笑いは起きたが、なんとなく雰囲気が。

林はジョークは言わない。そういう先入観が空気を微妙にした。

その時、なかなかの間で、川辺駿がこう言った。

「誰が、宮根(誠司)ですか」

本当の爆笑が起きた。

林卓人が言う。

「すいません、ちょっとやりたかったので」

こういうキャラクターだったっけ?

いや、違うだろう。あの林がジョークを言うなんて。

「いや、やっとかないといけないかなって思って。カズさんが言い出したんですよ、駿が宮根さんに似てるって。なっ、そうだよな」

川辺が苦笑い。ただ、彼は磐田ではこういう弄られかたはしなかったらしく、「懐かしいですね」とまた笑った。

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