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渡大生、故郷・広島へ

徳島といえば、小林伸二監督のイメージが強いだろう。堅守の組織をつくりあげ、我慢して我慢しながら、速攻をしかけて得点をとる。1-0のスコアが実に似合うチームだったし、J1 昇格もそういうサッカーで実現した。

今年の春、そういうイメージで徳島の試合をたまたま見たら、本当に驚いた。最終ラインからしっかりとボールをつなぎ、ショートパスを中心に連続してスペースをつくりながらコンビネーションをつくりあげる。4-4-2のアンカーシステムを使ってチーム組織を機能させたロドリゲス監督の手腕には、驚きを禁じ得なかった。千葉・東京Vと並び、監督の手腕がチームを大きく変える素晴らしい例を徳島は見せてくれた。

だが、いくらパスを回しても、ゴールという結果を出さないと意味はない。広島であれば佐藤寿人・李忠成・石原直樹ら。川崎Fなら大久保嘉人や小林悠。浦和ならば興梠慎三やラファエル・シウバらが、最後の締めくくりであるゴールを決める役割を負っていた。

では、徳島であれば、誰なのか。

42試合23得点。得点ランキング2位、日本人得点王の渡大生である。しかも8アシストは左右のサイドバックをこなす馬渡和彰の9アシストについでチーム2位、リーグでも5位につけている。31得点に直接絡んでいるわけで、この数字はリーグトップだ。2017年の徳島は70得点と名古屋についでリーグ2位につけているが、その原動力は間違いなく渡だった。

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