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練習の公開・非公開について

「練習はできるかぎり、オープンにしたい」と語るヨンソン監督

 

プロサッカーとプロ野球の大きな違いとすれば、練習の公開・非公開がある。かつて、川上哲治監督は「哲のカーテン」(東西冷戦時に言われた「鉄のカーテン」になぞらえたネーミング)をしき、メディアの取材を拒否したことはある。だが今は、そういう報道規制を行っている球団は、寡聞にしてきかない。少なくともカープについては、キャンプ時の守備のフォーメイション確認などを室内練習場で行う時に稀に行う場合はあるようだ。しかし、その他については非公開練習を行うことはない。

もちろん野球は連日試合が行われているわけで、サッカーとは状況が違う。先発投手も前日に発表されており、スタメンもだいたいの場合において予想もできる。たとえばクライマックスシリーズや日本シリーズなどの短期決戦において、起用法や選手のコンディションの状態を隠すたるめに事前のトレーニングをクローズする例もゼロとは言わないが、最近はほとんど聞かない。

だが、サッカーは違う。

たとえば横浜FMは、公式サイトで確認したところ、練習はほぼ非公開。柏、浦和、大宮、清水、新潟、G大阪、神戸、鳥栖などのチームも、一部公開日はあるとはいえ、非公開が原則のようだ。一方、鹿島や川崎F、仙台、磐田、C大阪、甲府、そして札幌も原則として練習を公開している。そして広島も後者だ。もちろん、メディアにだけ公開する場合もあるが、それは本当の意味での「公開」とはいえない。

ヨーロッパでは、どうなのか。非公開練習はイングランドでは常態化している。スペインやドイツではビッグクラブでは非公開だが中小の地方クラブは基本はオープンだ。オランダも基本的には公開練習だと聞いている。ビッグクラブの場合は「安全」という意味合いもあるのだろうが、それにしてもどうして、彼らは非公開練習を選択するのだろう。

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