迷いの中で、苦しみの中で。それでも勝利のために点をとる/柏戦プレビュー
「責任を感じている」という言葉を裏づけるように、トレーニングでの工藤壮人は、鬼気迫るものがあった。
もちろん、通常の全体トレーニングでも集中した動きを攻守に見せていた。全力を注ぎ、戦う姿勢を全面に押し出した。そして、チームのトレーニングが終わった後もピッチに残り、何本も、何十本もシュートを打つ。
火曜日はフェリペ・シウバと共に。水曜日はフェリペ・シウバ、アンデルソン・ロペスとのコンビネーションを整備し、木曜日もパスを受けてのシュート。コンディションを整えるというよりも、自分自身に対する苛立ちを鍛錬のエネルギーと化すような、そんな激しい練習を繰り返していた。
工藤にとっての対柏戦は、もちろん特別である。10歳の時からスクールに通いはじめ、U-15、U-18、そしてトップチームと、ずっと黄色と黒のユニフォームを身にまとい、太陽王の象徴としてサポーターの声援を一身に浴び続けた。15年間も一緒に戦ってきたレイソルと対峙する。普通の気持ちでいれるはずもない。
だが、そんな感傷よりも今は、広島のためにゴールを決めたい。その想いの方が強烈だ。
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