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森崎和幸物語 第8章

J1復帰を決めた翌週、広島は優勝をかけてC大阪とのアウェイゲームに臨んだ。もちろん、2位との差を考えても、優勝は必然。とはいえ、目標を「勝点100、得点100」に上方修正したチームにとっては、勝たなくていい試合など1つもなかった。

だが、その大切な試合に、森崎和幸は出場しなかった。ベンチには入っていたものの、出場する気配はなかった。

「疲労性腰痛」と説明を受けた時、記者たちは誰もが納得した。精神面でも肉体的な面でも、カズは本当の意味でチームの支柱となり戦い抜いてきた。新しいフォーメイションを根付かせ、可変型システムを開発し、全ての力をチームに注ぎこんで戦い抜いた2008年のカズが「疲れた」と言えば、確かにそのとおりだろう。実際、次の試合ではストッパーではあったがピッチに戻ってきていた。大きな問題とは捉えていなかった。

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