縦に紡ぎし湘南の

【湘南vs甲南大】レポート:互いに実り多き一戦

■天皇杯JFA第104回全日本サッカー選手権大会2回戦
6月12日(水)湘南3-1甲南大(19:01KICK OFF/レモンS/1,942人)
得点者:37’山田直輝(湘南)49’清水健生(甲南大)80’ルキアン(湘南)90+6’ルキアン(湘南)
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大学生チームをプロが押し込む展開に不思議はない。驚くべきは学生たちの粘り強さだった。甲南大は序盤から守勢に回るも、GK板敷洸大を中心にピンチを切り抜けた。

甲南大の竹口清一監督は言う。
「しっかり身体を張ることや、ゴールを割らせない、ゴールを守るところは、いままでやってきたことが出ていた。日常がすべてだと思っているし、日頃の積み重ねの成果だと感じます」

それでも37分、スコアは動く。先取したのはベルマーレだった。この日およそ9カ月ぶりにスタメンに名を連ねた小野瀬康介が遠めからシュートを狙い、山田直輝がコースを変えたボールがゴールに吸い込まれた。

一方、甲南大が追いつくのは後半開始まもない。49分、右サイドでフリーキックを得ると、松野隼輝のクロスに清水健生がヘッドを合わせた。

セットプレーの守備はベルマーレの課題のひとつに挙げられよう。「2列目から入ってきた選手に無抵抗だった」山口智監督がくだんのシーンを振り返る。
「ラインを揃えて下げるタイミングは共有できていると思いますが、相手との駆け引きのところはひとつの修正ポイント。ラインの高さも検証しないといけない」

同点となって以降もホームチームは攻勢を弛まない。そうして80分、セカンドボールを収めた福田翔生から右サイドを駆け上がった岡本拓也へ展開し、岡本の折り返しにルキアンが応えた。直近のリーグ戦3試合連続ゴール中のストライカーは、試合終了間際にもPKを沈め、勝負は3-1で決した。

「学生たちは持っているものをすべて出し切った。悔いはないです」試合後、竹口監督は教え子を称えた。甲南大に送られた湘南サポーターの惜しみないエールが、敗れてなお清しさを湛えた彼らの戦いを裏付けていた。かたやベルマーレも「たくさんの方が来てくれたなかで、ひとつ結果として出し、次に向かうパワーをもらえた」と山口監督が語ったように、今後に繋がる収穫を手にした。小野瀬が左ウイングバックで、鈴木淳之介が左センターバックで新たな可能性を示唆し、怪我で離脱していた舘幸希らの復帰も得難い。互いに実り多き一戦となった。

reported by 隈元大吾

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