縦に紡ぎし湘南の

【コラム】移籍をまえに齊藤未月が語ったこと

ジュニアに入ったのが小学5年生の頃だから、人生の半分をベルマーレで過ごしてきたことになる。齊藤未月はアカデミー時代の足跡を振り返り、「プロまでの逆算がしやすかった」と口にした。
「(遠藤)航さんや大さん(菊池大介)、コバくん(古林将太)など、アカデミー出身の選手たちがトップチームで活躍していたし、2学年上の前田尚輝さんもユースに入ってすぐに2種登録されていた。そういう目標となる選手が身近にいたし、トップを指導する曺さん(曺貴裁前監督)や敏さん(浮嶋敏監督)が見てくれていることも大きかった。練習に顔を出してくれて、またトップの練習試合やトレーニングに参加する機会も多いから緊張感があった。トップチームはもちろん遠い存在だけど、上がれるかどうかは別として、遠い存在ではないように感じられました」

ユースに上がる2014年前後にはボランチの永木亮太やハングギョンに影響を受けた。
「湘南スタイルが確立され、世間にも知られるようになってきたなかで、永木さんやハングギョン選手の活躍を見て、ああいう選手になりたいという気持ちが自然と芽生えた。なにか吸収できるものがあれば、という目線でプレーを見るようになっていました」

初めて年代別日本代表に選ばれたのもちょうどこの頃のことだった。以来、常連となるなかで、ずっと変わらぬ芯がある。
「ほかのひとより走り、激しく行き、球際で負けない。熱く戦う部分を出すべきという感覚は、最初に選ばれたときからありました。もちろん年代が上がるにつれて求められるものは多くなってくるし、国を背負う気持ちもより強くなりますが、結局そこにたどり着きますね」

自身の特長をアカデミー時代に見出し、いまがある。その想いは今回の移籍に際して寄せた言葉にも込められている。
「僕のプレースタイルや性格、武器はすべて湘南ベルマーレで生まれたもの。これからも僕が湘南産であることはずっと変わらない」

目指す選手像もかつて描いたものと変わっていない。

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